そんな不思議な読後感が残る物語。ちょっとだけ人間臭さの混じる、不思議な死後の世界という舞台。本作の良い所は、「死んだ後の日常」がとても当たり前のように描かれているところ。全部全部、死人の生きていた証。死後だって、人はちゃんとつながっている。そう思わせてくれる、優しい物語です。
天使のミヤビと悪魔のアカツキ。正反対な二人が織りなす死後のユルくも切ない日常。どこかダメなおっさん天使と、可愛いけど容赦ない悪魔の掛け合いがユーモアたっぷりで、それだけでも読んでいて楽しいのですが、物語が進むにつれて、死境で出会う魂たちのエピソードがどれも胸に沁みます。特に「枕」に宿る思い出や、母と子の再会、そしてミヤビの恋とその結末は、読後に静かな余韻を残します。キャラの個性が立っているのも魅力で、読者それぞれの誰かを想う気持ちにそっと寄り添ってくれるような作品でした。
わたくしスカイハイやデスパレード、死役所など、一風変わった天使や死神があの世とこの世の狭間で死んだ魂に触れていくお話好きで、この物語は仲がいいのか悪いのかわからない天使と悪魔がこの魂に触れあっていくストーリー(´・ω・`)そして死んだ魂との触れ合いもほっこりして、更にこの二人のやり取りから垣間見える生前のお話もほっこりです(´・ω・`)そこのあなた!!!!いかがですか?
世界観や雰囲気が素晴らしいですね。これからも頑張ってください。
語りが独創的で惹かれるものがありました。おとぎ話のような優しい雰囲気がありつつも、要所で言葉遣いが荒くなるのが独創的で楽しめました。本作は深いテーマを扱いつつも、メインキャラクターである天使と悪魔の軽快なやり取りのおかげで重過ぎない物語になっていました。連作小説なのでテンポもよく、ページをめくる手が止まりませんでした。
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