概要
傷物の奴隷を、皇帝が取り逃がした至宝に変える。それが後宮の女商人の技。
傷物の奴隷として投げ売りされたスィーラーンは、後宮に出入りする女商人・エステルに拾われてその手管を受け継いだ。
エステルが不審な死を遂げた後、スィーラーンを引き取ったのは、異国の青年貴族にして商人のバルトロだった。彼は、祖国から後宮に関する何らかの任務を下されているのだという。困難かつ危険だというその任務を前に、けれどスィーラーンは自信たっぷりに笑う。
「私こそがエステルのもっとも価値ある遺産。後宮の女商人の手管で、貴方の願いを叶えて差し上げましょう」
後宮に因縁のあるスィーラーンと、祖国の思惑を背負うバルトロ。ふたりは、契約夫婦として母后や寵姫相手の商売や謀略に励む。寵愛争いに内政問題・外交問題、帝国の後継者争いにまで巻き込まれることになる商人夫婦の、絆の行方は──
ナツガタリ
エステルが不審な死を遂げた後、スィーラーンを引き取ったのは、異国の青年貴族にして商人のバルトロだった。彼は、祖国から後宮に関する何らかの任務を下されているのだという。困難かつ危険だというその任務を前に、けれどスィーラーンは自信たっぷりに笑う。
「私こそがエステルのもっとも価値ある遺産。後宮の女商人の手管で、貴方の願いを叶えて差し上げましょう」
後宮に因縁のあるスィーラーンと、祖国の思惑を背負うバルトロ。ふたりは、契約夫婦として母后や寵姫相手の商売や謀略に励む。寵愛争いに内政問題・外交問題、帝国の後継者争いにまで巻き込まれることになる商人夫婦の、絆の行方は──
ナツガタリ
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!傷すらも武器にする! 女商人としての矜持を胸に
いやーー、もう、どのシーンも目が離せない抜群の面白さでした!
顔に醜い火傷の傷を持つ、奴隷のスィーラーン。”傷物”として価値を失いそうな状況であるにも関わらず、師でもあるエステルの作り出した物語に乗っかって、隠さずむしろ武器として使っていく強かさ……。でもその傷の本来の理由もちらちらと垣間見えて、そこに同時に彼女の弱い部分が見え隠れするのだけど、脆い部分を埋めるのは契約夫婦となったバルトロの存在。
後宮の覇権をめぐる人間模様、裏で進む謀略に対する知略と行動力での戦いは目が離せず、緊張がずっと続く中でのバルトロのスィーラーンに対する気遣いに読者も心癒されます。
緊張の緩急バランス…続きを読む