あの夢を見たのは、これで9回目だった。

夢の中で兄妹は、小高い丘の上の桜の木にお花見に来ていた。
母親に連れられ、大好きなお菓子も「幾つでも買っていいよ」と言われた……。


やがて、「忘れ物をした」と、車に戻った母が、戻ってこない。

いつまで待っても、戻ってこない。

この『夢』の正体は……？
そして、この夢を見た先にある生活とは……？

ご一読を……！！

幼い兄妹が大好きな母親に連れられて行ったお花見。

それは楽しくも辛い記憶となって兄妹に刻まれてしまう。

それでも兄妹はお母さんの事を大好きな事は変わらない。

健気で切なくなりますが最後は読んでよかったと思えます。
是非ヾ(*'∀`*)ﾉ

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（125文字）

　切ない。切ないよ、と読み終えた後に目頭を押さえたくなる作品でした。

　ある幼い兄妹が、母親に連れられてピクニックに行く。そこで丘の上に登ってお花見をするが、母は「忘れ物をした」と言って二人を置いて去って行ってしまう。

　母が急にいなくなったので困惑する二人。その先で二人を待っていたものとは……。

　切なさと、残酷さと、それでいて妙に漂うあたたかさ。

　子供ならではの純真無垢さ。世界を、人を知らないでいるからこそ持ち続けられる信頼。

　美しいものは美しい。そう純粋に捉えられ、桜の木を見た時の「楽しい想い」だけを印象として持ち続ける。

　その感じがまたとても切ない。二人が自分の身に…続きを読む

何度も何度も見る夢が悲しい記憶だとしても、今度見る夢は暖かく幸せなモノでありますように！！