読者を一気に作品世界に引き込む磁力をもつ小説です。作品の語り口が素晴らしく、近代文学的で、何と美しい文章を書き連ねられているのか、と驚きを持ちつつ読み進めていきましたが、そこには背徳感に満ちた展開が待ち受けていました。耽美的でもあり、心に魔物が潜む人間を、見事に描いた傑作だと感じました。
明治の文学を思わせるような文体、静かな閉ざされた世界。その中で生きる女性が、悲しく美しく、儚げに描かれています。心が纏足された女性。大変すばらしいです。純文学が好きな方、カクヨムにもいらっしゃると思います。ぜひ読んでみてください。映画のようでもありました。
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