概要
ねえ。あの雲の上に、幸せとか、あると思う?
赤尾竹柏(あこう・なぎ)は、小学校四年生のとき、街の特設ステージで歌を歌っていた瑞城女子中学校コーラス部にあこがれ、合唱を始めた。やがて念願かなって瑞城女子中学校に進学、竹柏はコーラス部に参加する。しかし、待っていたのは、他の共学校とのトラブル、そして、それをめぐる顧問の理不尽な命令だった。崩壊し行く部、希望をたたれたメンバーたちの前に、最後のチャンスとして与えられた活動再開命令…部員たちの選択は。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!この合唱はロックだ! 大人たちの愚かさに潰された合唱部の美しき反抗。
こんなにロックな小説にはなかなかお目にかかれない。
題材は合唱という、ともするとお行儀よく思われがちな音楽なのだけれど、主人公が合唱と出会い惹かれていく初期衝動がまずロックである。
しかし希望を抱いて入部した合唱部は、大人の愚かしさによってちょっとした事件に巻き込まれ、体面ばかり取り繕おうとする大人たちによって振り回されていく。
だからといって彼女たちは黙って潰されたりしない。
最後の最後で、その歌声で強烈なカウンターをお見舞いする。
無論それにより全てが解決して大団円を迎えるわけではない。
彼女たちが失ったものは大きく、結末はあくまでも現実的だ。
だからこそクライマックスの合唱シーンが美…続きを読む