作文讀
すらかき飄乎
作文讀
今から考へれば、
十二疊の座敷󠄁には、
「
玄關から
「こちらは……?」
「へい、
さう云ふが早いか、
えゝ、
御覽じあれかし!
さて、
子供の頃、
「やあ〳〵、
內心は
「どうぞ、こちらに」
一旦、
余は、水墨の軸を右の背にして、
「君、そんな所󠄁に居ないで、
「
「殿樣」なる
屛風の蔭では男が何やらごそ〴〵
「
「獅子舞とは何とも
「時に、作文はどうするですか?」
「作文でごぜえすか? 作文は…… さうでがすな、
「
「はあ、まあ……
「何と…… おい、おい、居るかい?」
「はい」
小閒の更に奧の閒から、
「聞こえたかね?」
「いゝえ」
「
「あら、さう? さうですねえ、困つたわ―― でも、
何だか、
「あのう、殿樣――」
「何かね?」
「まあ、そのう、何でがすが―― そのう、奧方樣の御立派なる
「
「いやね、何なら御庭でも
「
「へい……
男が
中〻油斷ならぬ
作文
何だか無性に腹が立つた。
さう思つた
男の顏が
<了>
作文讀 すらかき飄乎 @Surakaki_Hyoko
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