ブラック上司義経

平清盛が病死すると平家は安徳天皇を連れて西へ西へと都落ちする。讃岐国屋島で半減期体制を整える平氏に対して義経は阿波国勝浦に上陸し、屋島で激しい戦闘となった。
両軍が対峙する中、一人の女官の乗った小舟が現れた。小舟には竿が立てられ、扇が掲げられている。その的を射よとの事であった。
「だれか、あの的を射る者はおらぬか？」
義経の呼びかけに応じる部下はなかなかいなかった。それもそのはず、わずかな失敗でも義経は許さないブラック上司であったからだ。