後日譚
わたしはその後、彼を家まで送り届けた。時刻はもう次の日に切り替わる直前。自殺未遂の件に加え、警察に行方不明の届出が出されていたことも相まって大事になっていたため、彼の姿を見た時ご両親は膝から崩れ落ちた。
泣きながらごめんね、と彼に何度も頭を下げる。もう償えないのかもしれない。だけれど道を誤ってしまってごめんね。
そう、彼らはいった。
彼らもまた、被害者だった。
道を誤ってしまった彼らは自分自身の考えに縛られた被害者だ。
そして、彼らの謝罪を田辺が受け入れた時。両親は田辺を抱きしめ、田辺も彼らを抱きしめた。
願わくば、彼らの未来に幸せあらんことを。
わたしは、彼らが抱きしめる姿を見届けながらそっと玄関から外へ出る。
そこには一面星に覆われた綺麗な夜空が待っていた。どこまでも綺麗で、美しい。
彼らの家族愛に祝福を。
この夜空に、祝杯を。
<終>
あの夜空に祝杯を ぼっちマック競技勢 KKG所属 @bocchimakkukyougizei
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