【風祭ヶ丘駅】 シルフのお宿
麒麟ノ角駅線に乗って十ヶ所目。
風祭ヶ丘駅。
すっかり日が沈んだ空の下。
祥観達は、クタクタに疲れた様子で地下通路を出た。
「ああ………………宿見つかるかなぁ……………………」
「誰か来て欲しい…………」
「そうよね……………………そんな都合のいいことは、あるのかしら? 」
ヒュラ~~~~~~~~ンッ………………ヒュラララ~~~~~~~~~~ンッ…………
「ううん? 」
ゾグッギリンギリンッ!
レミングは、目の前からやって来るエルフのようなモンスターを見つけた。
レミングは、以前全裸ののエルフに苦しめられたことがある。
偶然にも、やって来たモンスターはスケスケドレスで爆乳。
ほぼ全裸に近い姿。
しかも、蝶の羽根と緑のボサボサのロングヘアーをしていた。
全裸のエルフよりも強いかもしれないのだ。
ヒュラララララ~~~~~~~~~~…………………………
「ううん! 」
「ええ?! 」
「こっちへ来るなエルフ! 祥観を酷い目に遭わせるなら、僕が殺す! 」
「何言っているの? あたしは、あなた達を助けに来た、シルフのフィスティー・ウァンよ! 」
「助けに来た? 」
「そう、風魔法による未来予知であなたを見つけたの」
「マギアをたくさんもらったのに、戦いすぎて疲れているのね」
「あ、ああ」
「では、お宿へ行きましょう! 」
ヒュラララララララララ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ラン!
ヒュラララララララララ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ラン!
祥観達は、瞬間移動魔法でワープした。
しかし、そこはどこかで見たことがある場所だった。
「よっと。着いたわよ! 」
「おお、てっ、ここ、麒麟ノ角線の上じゃん! 」
「しかも、子神駅が近くあるわね」
「へへぇ。実は、シルフ領とネズミ族領は隣接しているの。たまに、あたしの宿に王様ネズミが来てナンパするのよね。あたしを含むシルフ達は、断っているわ」
「ああ、王様ネズミったら、ネズミの女王を大事にしてよぉ」
「とにかく、宿に入りましょう」
ガタンッ!
ウァンがドアを開けた後、祥観達は、中に入った。
ガタッ!
「ここが、シルフお宿よ」
「うわあぁぁぁぁぁーーーー! 」
「ううん」
祥観は、周辺から上まで宿の中を見た。
二階に並ぶ個室。
その窓は、電車が見えそうな位置張られている。
「いいなぁ。この部屋。まるで木の上にいるみたい! 」
と、その時。
「気持ちよかったわねぇ♡」
「後、二日はやりたかったなぁ♡」
人間の男とエルフの女がタオルを巻いた姿で歩いてきた。
「ええ?! 二人共、気持ちよかったって? 」
「ああ、僕達は、子作りをしていたんだ」
「ここは、子作り専用の宿なの。気持ちいいから、あなたもやってみたら? 」
「と言っても、女の子同士じゃ無理かぁ」
「そんなことはないよ! 」
子作りしに来たカップルに馬鹿にされたレミング。
彼女は、バッグでパンツを隠した。
「メタモルフォーゼ! 」
ビウンッ!
レミングは、魔法で性別を変えた。
体がムッキムキの筋肉質。顔はキリリとしたイケメンになっている。
「ううん! 」
声は、バスのような低い声になった。
「祥観。これから、子作りをしよう! 」
「あ、うん……………………」
個室に入った祥観とレミング。
全裸になった彼女達は、さっそく子作りをはじめた。
「ううん………………あたしに出来かなぁ? 」
「大丈夫。僕もはじめてだかね」
シュルルルッ!
レミングは、自分と一緒に祥観を包んだ。
そして、手を布団の奥に入れる。
「目をつむって」
「うん! 」
………………………………………………………………………………………………ズグッ!
「うぐぅっ! 」
「痛かったぁ? 」
「うん! 」
「けれど、我慢しようね」
「うん! 」
グゥッ………………グゥッ………………グゥッ………………グゥッ………………
二泊目の夜。
祥観とレミングは、またも全裸になった。
今度は、レミングが女の子の姿に戻っている。
そして、代わりに祥観が男の姿になっていた。
細マッチョな体をしたいアイドルのようなイケメンの男だ。
ギュウッ!
「うう! 」
声は、どことなく少し低いイケボだ。
グゥッグゥッ…………グゥッ………………グゥッ………………グゥッ……………………
グゥッ………………グゥッ………………グゥッ…………………………
(子作りになれてないからか声が出ない…………僕達も、まだまだだなぁ…………)
ギュウッ………………ギュウッ………………ギュウッ………………ギュウッ………………
ギュウッ………………ギュウッ………………ギュウッ………………ギュウッ………………
翌日。
祥観が女の子に戻った朝。
朝食の時間がやって来た。
朝日が照らす楕円のテーブルに、一人三枚ずつのお皿が置かれている。
大きくて平たいお皿には、目玉焼きとサラダと肉。
丸くて深いお皿には、スープ。
平たくて小さいお皿には、ご飯が入っていた。
「いただきます!! 」
最初に祥観とレミングは、サラダに手をつけた。
祥観は、コールスローをレタスで包む。
レミングは、ポテトサラダをレタスで包んだ。
「バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ………………バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ………………」
「むぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐ………………むぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐ………………」
サラダを食べながら祥観は、無表情だったレミングの様子を思い出した。
『もう少し、レミングを攻めればよかった』と。
しかし、レミングは、まだ無表情でいる。
「むぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐ…………ゴクン……………………」
次に、レミングはベーコンを食べた。
「ふぐふぐふぐふぐふぐふぐふぐふぐふぐふぐふぐふぐふぐふぐふぐふぐふぐふぐふぐ……ゴクン……………………」
その次に、スープをスープで飲む。
「すぅーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…………すぅーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…………すぅーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…………すぅーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…………すぅーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…………」
キリンッ…………………………
最後に、レミングは、塩をかけたライスをスプーンで食べた。
「むぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐ…………むぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐ…………むぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐ………………むぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐ…………ゴクン………………………………………………」
キリンッ……………………
食べ終えた、
レミングは、ハンカチで口を拭く。
すると、先に食べ終えたハートがレミングの所にやって来た。
「子作りどうだった? 」
ガサゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソ………………
ゴソッ!
レミングは、足下に置かれていたバッグから、薄い赤色の箱を取り出した。
そして、ハートの顔の前に見せつける。
「こ、これは? 」
「避妊薬だよ。子作りははじめてだから、駒三神駅で買った。やる前に買っておいてよかった」
「ふぅぅぅぅぅ…………二人には、子作りは、早かったのねぇ」
「ごちそうさま! 」
「祥観。旅の続きをはじめるよ! 」
「うん! 」
ガタンッ! タンッ!
異世界ダンジョン駅~新宿駅や東京駅のような所かと思っていたら本当にダンジョンだった件 セレンとセシウム @ddancm-d
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。異世界ダンジョン駅~新宿駅や東京駅のような所かと思っていたら本当にダンジョンだった件の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます