【麒麟河原駅】 ダジャレと鹿娘とウマシカと麒麟

 麒麟ノ角線は、一番西にある終点に着いた。

「これ以上行けないようだね」

 ズウンッ! ドンッ!

「さてっと、これからどんなことが起こるかなぁ! 」

「楽しみね! 」

「うーーーーーーん………………」

 ぐーんっと腕を伸ばす祥観。

 彼女が、ハートから伝言掲示板に目線を移すと文字が動き出した。




【1番乗り場にいる冒険者一行様へ】


①通路に来たら、『く○つ』に鹿みつくこと。


②歩道橋に来たら、『馬鹿』を倒すこと。


③『し ’ 力 l 』の右へ行くこと。


④麒麟を倒すこと。




「この伝言掲示掲示板は、親切だねぇ! 」

「とか、行っている場合じゃないでしょう! 」

「ふふんわざとだよ、ハート! 」

「何よそれ! 」

「僕は、祥観を助けるんだ。ハートは、一人で頑張ってくれ! 」

「失礼しちゃう! 」

「とにかく、二人共『く○つ』を探すよ! 」

 祥観を先頭に、レミングとハートは掲示板の向かいにある階段を上った。


 麒麟河原駅二階の通路。

 人が十人並ぶくらいの太い道を、四体のモンスターが歩いている。

 下半身は鹿の胴体と四本足。上半身は、爆乳の女性。頭には鹿の耳と角のがある。

 どうやら、彼女達が鹿娘のようだ。

「この中から、『く○つ』を探すのね」

「くつを履いている鹿娘を探しましょう! 」

「ハート。みんな、蹄で歩いてる。くつが無い」

「くつ違いのようね」

 すると、一体の鹿娘が祥観の所にやって来た。

 コドッ……コドッ……コドッ……コドッ…………

「ううううん…………………………! 」

「あの近づいてくる鹿娘は不機嫌そうね…………」

 この時、祥観にはある仮説があった。

 『○に何かが入るのでは』と。

 祥観は、表情を見て推理をした。

「鹿る? 鹿…………………………ああ、鹿めっつら! 」

「鹿めっつら? 」

「あの子の顔だよ! 」

「鹿めっつら………………て、」

「祥観、ナイスダジャレ! 」

「レミング。何で、邪魔するの? 」

「僕は、祥観の味方だよ! 」

「なにそれ、まあ、いいわ」

 コドッコドッコドッコドッコドッコドッコドッ! 

「よし! 」

 ズボンッ!

「ううん? 」

 祥観は耳を触った。

 綿菓子を固めたような感触がする。

 祥観は、後ろ向いた。

 そこには、鹿娘の姿があった。

「うるさくて可哀想だったから、耳栓をしたよ」

「もう、ありがた迷惑なんだけど。まあ、仕方ないな………………ううん? 仕方ない? 仕方ないしかたない鹿たない…………鹿たない! 」

「た○に! 」

「た○に? た鹿に! 」

 祥観は、一人ずつ鹿娘の謎を解く予定だった。

 しかし、二体集まってくれたことで鹿娘の謎を順調に解いて行く。

「て、ことは、あれがく○つ! 」

「ザクザクザクザクザクザク…………むぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐ……ああ、衣の食感と肉の旨味と玉葱の甘味がたまんなーーーーーーーーーーーーーーい! 」

 ダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッ!

「く鹿つ、捕まえた! 」

 祥観は、勢いよく走って行く。

 しかし、彼女の前に黒いローブが道を塞いだ。

 バラランッ!

「ええ?! うわっ! 」

 グニュンッ!

「祥観ったら、僕のおっぱい好きだねぇ! ねぇ、ハート! 」

 レミングは、ハートがいる方を見た。

 しかし、ハートの姿は見当たらない。

「おかしいなぁ…………………………」

 レミングは、く鹿つの方を見た。

 グニュグニュ

「串カツを食べさせてよぉ…………………………」

「①は、クリアよ! 」

「ええ? おっぱいは、お預け? 」

 ハートの咄嗟の行動により、①はクリアとなった。


 ガガガガガガガガッ!

「よおし! 次は②だーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー! 」

「祥観、声デカい! 」

「それだけ、元気だってことだよ! 」

 祥観達は、南口の歩道橋に出た。

 長く続く歩道橋。

 そこ歩いて川の上を通ると、②の条件となるモンスターが現れた。

 前足は馬、後ろ足は鹿、馬の体の爆乳女性が生えていて、頭は鹿の耳と角と青いショートヘアーをしていた。

「ひょっして、ばか? 」

「いいや、ばかでわない、ましかだ! 名前を間違えおってぇ! 」

 ましかは、馬鹿にされたのだろうか?

 頭から、煙が出て来そうな程に怒っている。

 彼女は、腰の鞘から長剣を出して戦闘態勢入った。

「中堅魔術『憤怒コーティング』」

 ブウウンッ!

 キイインッ!

「ぐうぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ! 」

「クラッシュ! 」

 ズザンッ! ゴロンッ!

「ええ?! 祥観は?」

「無事だよ! 」

 怒りに身を任せて放たれ斬撃。

 それは、分解魔法を弾くほどの威力。

 しかし、左により転がったおかげで、祥観は回避することが出来た。

「天女は、倒せぬか。なら、今度はウサギだ! 」

 キイインッ! ザーーーーーーーンッ!

「中堅魔術『怠惰の癒し』」

 ビュゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!

 ボロボロボロボロボロボロボロボロボロボロボロボロボロボロ………………………………

「なぬう? うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ……」

 強力な強化魔法纏ったましか。

 しかし、ハートの怠惰の癒しは、憤怒力すらものともしない。

 ましかはない徐々に徐々にと怒りがおさまっていく。

 バタンッ!

「スースー…………スー………………スー………………………………」

 ましかは、怒りの力を失い眠っしまった。

「さあ、②は、クリアよ! 」

「たく、最後は僕の出番を与えてよ! 」


 ③の『し ’ 力 l』。

 これは、逆さにすると答えが解る。

 祥観達は、世界の○乗り場へ移動した。

 

 祥観達は、○乗り場にやって来た。

 何ぜだか、すでに麒麟ノ角線がある。

 パスッパスッ!

「あれ?! 」

 次の駅へ行こうと思っていたレミング。

 しかし、、いくら触ってもドアは開かない。

 そして、そのまま麒麟ノ角線は、発車した。

 グウォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!

 と、麒麟ノ角線の最後尾が去ったその時。

「待ってたぞ! 」

 新たな鹿娘が、6番乗り場に現れた。

 しかし、最初に見た鹿娘と少し違う。

 鹿体は青い鱗で被われていて、爆乳は水色のチャイナ服で隠されている。

 髪は、金色出なく黄緑色のおさげだ。

「あなたも、鹿娘? 」

「鹿娘は、親戚だ。我は、麒麟。この駅の番人だ。我は、少し体が鈍っておる。一緒に遊ぼうではないか! 」

 コンコンココンッ!

 麒麟は、ゆっくりと立ち上がり祥観達の方を向いた。

 これから、④の始まりである。

「お主らからこい! 」

「よおっし、いぞぉぉぉっ! 」

 ブウウンッ!

「うりぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! 」

 祥観は、槍を麒麟に向けて勢いよく走る。

 しかし、麒麟の鱗からは、泡のようなものが吹き出してきた。

「中堅魔術『神の泡』」

 プクプクプクプクプクプクウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーー……

 ポワアァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!

「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」

 祥観は、泡の中に閉じる込められてしまった。

 と、その時。

 カチンッ! ブワンッ!

「うわあっ! 」

「中堅魔術『古家崩れ』」

 レミングが魔法で、泡の空間を破壊。

 祥観は、急いでハートの所へ逃げた。

「おお、これが例の魔法少女かぁ。なら、本気を出そう! 」

「僕もだよ! 大天魔術『自生敵殺』」

 バーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!

 麒麟の目には、何も起こっていないようにも思えた。

 しかし、自生敵殺の力の始まりである。

「全裸になっただけではないか、まぁ、我もそのつもりだ。大天魔術『泡沫の刻』」

 ブシャァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!

「ぐうおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ……」

 麒麟は、時間差で死ぬ魔法をかけようとした。

 しかし、その魔法は、自滅の魔法に変わった。

 全裸になるはずの麒麟は、服を赤い血で染めてぶっ倒れてしまったのである。

「これで、④もクリアだね! 」

「最後見せ場は、取っといたよ! 」

 ダッダッダッダッ……ダッダッダッダッダッダッダッダッダッ…ダッダッダッダッ……

 ○番乗り場に戻ったレミング。

 あらかじめ、置いていたバッグを肩かけた。

 これまで、鳳凰、麒麟と戦ってきた祥観達。

 しかし、日が暮れていていてこれ以上先は進めない。

「宿を探そう! 」

「うん!! 」

 しばらして、麒麟ノ角線が西方向に走ってきた。

 



 

 





 

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