花火の空と再生するイヴ

１・夏休み、僕は黒服の男達に「施設」と呼ばれる場所へと連れて行かれそこでイヴという名の異形の少女と出会う。男達は地球侵略を目論む異星人の手から地球を守る組織の者であり、イヴは敵と戦う巨大ロボットの操縦者であるということだった。そこで僕はある『お願い』をされる。それは、イヴと会話をして欲しいという、とても単純なお願いだった。僕はイヴと会話をする。ありきたりな、平凡な日常についての会話を……。

２・イヴの調整を行う担当官のＡは苦しんでいた。イヴは一度の戦いで死ぬ事を運命付けられた存在。それを育て、戦わせる。これは人類の為に必要な行為……なのだが、造られた命であっても一つの命には変わりない。Aの抱く罪悪感は、しかし、本質的には何の意味もない。彼はそれを理解している。だから、苦しんでいる。

３・…続きを読む