嫉妬と劣等感に苛まれた男の末路

主人公の「僕」は、優秀な幼馴染の成功と栄光に嫉妬して劣等感に苛まれ、彼よりも貴重な蝶を捕らえるためだけに魔蝶に囚われてしまいます。その末路はタグ通りとなり、人間の愚かさを如実に表していて心に沁みました。
個人的にはヘルマンが本当は主人公をどう思っていたのか、気になりました。主人公の功績がヘルマンに追い抜かれ、主人公とヘルマンの目が合った時、ヘルマンは主人公に対して本当に優越感に浸っていなかったのか。そんな事を考える私はひねくれ者かもしれません。
本作は外伝ということですが、本編『ファウナの庭』でしっかり作り込まれた世界観が生かされています。もちろん本作だけ読んでも理解出来るように書かれていますが、本編も読めばもっと楽しめる気がします。特にファウナがミランの奥さんかと聞かれた時の反応がとてもかわいいにで、その答えが本編にあるんじゃないかなと思ってます。