①-②
「おかっぱの女子、お前が犯人だ!」
女子は肩をびくっと震わせたかと思うと、こちらを睨み返してきた。
「どうしてよ!」
「君は今ここに来たばかりなんだろう?」
「そうよ、だから犯人じゃないわ」
「おかしいな、さっき生徒会長はこの中で、美術部部長が血を流して亡くなっていますと言ったんだ」
「ええ、そうね」
「でも、君はこういった。喉にペンを突き刺すなんて」
女はハッとしてその場に座り込んだ。
「今来たばかりの君が死体の状況を知っていたのは、君が喉にペンを突き刺したからじゃないのか!」
「ごめんなさい……あの人が、私の絵にいちゃもんをつけてくるからついカッとなって……」
「言い訳は署で聞かせてもらおう」
「いや、署ってどこだよ」
生徒会長の鋭いツッコミが入った。
僕は振り返って歩き出す。
やれやれ、何か面白いことでも起きないもんかね。
-完-
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