ミステリー

①ミステリー

 廊下から慌ただしい足音が聞こえたかと思うと、教室の戸が勢いよく開いた。


「た、大変だ。美術室に死体が出たってよ!」


「なんだって!?」


 いくら退屈だからといって死体なんぞ望んではいない。それでも、僕ははやる好奇心を抑えきれず走り出していた。


 美術室の前には生徒会長が仁王立ちでふんぞり返っていて、入口を封鎖しているようだった。だが、彼は僕の幼馴染なのだ。僕を見るなりにやりと笑みを浮かべる。


「やぁ、探偵であるキミならすぐ来ると思ったよ。中を見てくれ」


 生徒会長にうながされ、美術室に入る。そこには、喉にペンが突き刺さった死体があった。赤い絵の具のように、床に血が広がっている。


 見開かれたまぶたを閉じてやって、僕は美術室を出た。


 その時ちょうど、美術部員を名乗る三名が現れた。生徒会長が重々しく告げる。


「この中で、美術部部長が血を流して亡くなっています」


 坊主の男子が真っ青な顔で言った。


「嘘だろ、なんだってそんなことに……」


 続いて、おかっぱの女子がスカートの裾をぎゅっと握った。


「喉にペンを突き刺すなんて、なんてむごいことを……」


 最後に、黒髪の男子が眼鏡を持ち上げながら早口で言う。


「あの人が死んだなんて僕は信じないぞ。きっと何かの間違いだ、人違いかもしれない、僕らにも死体をみせてくれよ」


 全員の意見を聞いた僕は、一度大きく頷く。そして、名推理で犯人を指さした。


 犯人は――


「坊主の男子」 → ①-①へ

「おかっぱ女子」 → ①-②へ

「黒髪の男子」 → ①-③へ

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