ファンタジー

②ファンタジー

 チャイムが鳴った。教室の戸が開き、先生が入ってくる。その後ろに、見知らぬ女生徒がいた。


「お前ら席につけー。今日は転校生を紹介するぞ。はい、名前黒板に書いてね」


 チョークを渡された女生徒は、黒板にカツカツとチョークを鳴らして名前を書いていく。振動で、長い髪が揺れていた。


西園寺さいおんじ万希那まきなと申します。よろしく」


「席は――あそこしか空いてないか」


 万希那さんは僕の横の席に腰掛けると、こちらをチラッと見てから「よろしく」と言った。何だか物事に感心がなさそうというか、どこか冷たい印象を受ける。


「じゃ、授業始めるぞー」


 先生が教壇に立って、授業が始まる。僕は引き出しから筆記用具を取り出した。


 その時、修学旅行のお土産で買った龍が巻き付いた十字架のキーホルダーが床に落ちた。


「えっ、それ……!」


 拾い上げて、顔を上げると万希那さんが僕を凝視している。


「どうかした?」


「その、アイテムは……! やっと見つけたわ。私の魂の片割れツインレイ


「は?」


「授業が終わったら、屋上に来てね。絶対よ……!」


 何が起きているのかさっぱりだった。


 そうこうしているうちに、授業は終わった。


 僕は――。


 屋上に行くことにした。→ ②-①へ

 帰ることにした→ ②-②へ

 

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