第五.二五話 「ミチオ、最後に自身の人生観を自信を持って語る。」

「アハっ!皆さん、如何もミチオです!」

 

 前回の僕、見て頂きましたか?!ようやっと僕も成仏出来ましたよぉ!

 恐らく皆さんは、アレからタカハシさんが僕の遺灰をお寺に納める描写を予想して居たと思いますが、イイエ、違います。歴代の自殺者達の全ては、確かにムラカミさんと火魅子さんによって焼かれて居ますが、灰の殆どは、全てタカハシさんの胃の中に納められます。タカハシさんの好きな人間の灰の食べ方は、生卵と灰を混ぜ混ぜさせてからのブッカケ御飯!タカハシさん曰く、「チト自分の骨に栄養が付いた様な気がする。」そうです。普段の食べ方は灰のフリカケ、食べる前にチョットだけお醤油を御飯にオンザトップ!

 野菜や果物、家畜同様に人間だって、亡くなったら誰かに美味しく食べて貰いたいですもん。若しも、近い将来に殺人を犯す予定の読者が居たら、迷う事無く殺して下さい。ハイ、人間も殺しても良いんです。ですがチャンと死体は綺麗に食べてあげて下さい。生き物の尊厳を尊重した上で殺人をして下さいね?!そして逃げてはイケマセンよ、殺して、感謝して食べて、其れから警察に自首して下さいね。逃げると云う行為は卑怯者のする事です。でなければ殺人なんかヤッテはなりません。殺された人間の気持ちも考えてみて下さい。

 後、この『自殺倶楽部』をご覧の読者の皆さん、物語の時系列がチト狂ってるって思われる方も多いんじゃ無いかな?

「ハイ!そうです、こんな物語を読む読者の皆さん自身が狂ってるんです。デスから時系列の事なんか気にしないで、お好きにお愉しみ下さいね!」

 

 エッ?今、僕何処居るかって?

「アハっ!タカハシさんとフサエさんとケンジ君の胃袋の中です!」

 アレから灰になった後、もう早速、次の日ですよ。タカハシさんが朝食に僕の灰を準備してくれて、彼等三人で美味しく、僕の灰をフリカケにして食べてくれました。後ですね、付け合わせに“人間の目玉の味噌漬け”。この目玉の漬けは、あのゴウタさんとアツコさんの物です。あの二人は餓死のせいで、肉体が殆ど残って居なかったみたいで、後日タカハシさんが愚痴ってましたよ!だけど目玉が其の儘の状態で残って居て、もっと時間が経って溶けて無くなる前に、タカハシさんが捥いで、味噌漬けにしたんだそうです。フサエさんとケンジ君も「美味しい美味しい」って言ってました。目玉自体の味が濃いから、目玉一個でゴハン何杯も食べれちゃうみたいです。因みに僕の眼球も、あの時タカハシさんがチャッカリ捥いで、壺に漬けてる筈です。

 

 地球人は良く“あの世”を、天国だとか地獄だとか喩えますけど、僕の真実は違います。実は天国も地獄も、現世に存在して居る世界で、生きて居る皆さん次第で天国にも成るし、地獄にも成るのです。じゃあ、“あの世”は何処に在るのか?と云うと、宇宙です。

 僕達全ての生物は、宇宙から産まれて宇宙に還るのです。皆さん、良く真っ暗な夜空を眺めて居て、懐かしい気分になりません?

 かと言って、イザ暗い場所に行ったら怖くなりません?なりますよねッ?だって僕達は真っ暗な、母なる子宮からやって来たんですから、気持ち良さも感じるし、恐怖も同時に感じるんです。

 全ての宇宙は僕達の共通した『意識』の中に在るのです。

 

 では僕、もうそろそろ行かなくちゃイケマセン。タカハシさん達に食べられて、ようやっと成仏出来るんです!

 来世の目標は..「自殺しない事ォッ!」

 

 

 デハ、本当にさよおなら。

                           ———ミチオ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

自殺倶楽部 宇宙書店 @uchu_tenshu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画