罪の告白と、親を求める子の無垢さ

主人公が誰かに宛てた手紙という形で、まるで独白のように綴られているこのお話。

「──娘が河童になってかえってきたのです」

最初は我が子が行方不明になってしまった哀れな母親と、人でなくなっても母の元に帰ってきた娘の不思議で切ない話かと思いました。
けれど途中から主人公が自分の犯した罪について語り始めます。そしてそのあたりから、この淡々とした彼女の語り口が徐々に薄気味悪く感じ始めるのです。

主人公の罪とは何だったのか、この手紙は誰にどんな目的で書かれたものなのか。
どうして人外となってしまった娘は、それでも母親を求めたのか。

是非最後までご覧ください。