もう離してはくれない

海で見つけたマネキンの腕を「流木」と言って嬉しそうに持ち帰る母に、ぞっとしました。しかも持ち帰ったら、流木という扱いから昭二の亡くなった兄へと変わっている。

そんなマネキンの腕は家だけでなく昭二の職場にも現れるようになり、壊してもまた昭二のところへと戻ってきて……と安定の気味悪さで、どんどん話にのめり込んでいきました。

しかしマネキンの腕は、本当に最初からマネキンの腕だったのか。昭二が日常と思っていたものは、いつから狂っていたのか。読了後もそんな後引く恐怖が味わえました。

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