デスラーがいたからヤマトは宇宙に飛んだのだ

 創作論に集まるテキストには、負のパワーの高波が定期的におこる。
 そんな中でも、みちのあかりさんの創作論は、力強い。
 同じ不満や怒りでも、陽の方にパワーが触れている。

 わたしは自己解決に至る分には、負のパワーも必要であると考えている。
 物書きは、メンタルが堕ちる処まで堕ちてからの急発進・急上昇で、猛然とやる気を出したりするからだ。

 いちばん困るのは、斜に構えて「お前たちバーカ」と嘲る系だ。何故そんなにイキれるのか謎である。


 自由に発言ができる国に住んでいるだけで、わたしたちは幸運だ。
「公開」一発で大勢の人に配信できる。
 それだけでも、贅沢きわまりない環境だ。
 なんて素敵なサイトなのだろう。

 多分、そこに、リワードやら星の数やら、成績表が出てくるがゆえに、苦しみが生まれてしまうのだ。
 数字は励みにもなれば、他者との眼にみえる比較にもなる。
「隣りの家が二階建てで羨ましい」
 なんていうレベルではなく、カクヨム内の格差たるや、エベレストの頂きからマリアナ海溝までって感じですからね。

 正体不明のブラックボックスが相手なのも余計にもやもやする。
 外部の賞歴としては同列にいるAさんとBさんなのに、Aさんはカクヨムから出版し、Bさんは「PVゼロ」の不思議現象もあったりして、本当によく分からない。


 これほどの作品数があるのに、わたしたちのこれほどの犠牲(犠牲ではないのだが)の上には必ずや社会現象となるような超大作がなければならないはずなのに、何故いつまで経っても生まれないの?
 運営さんが方向性を間違えているんじゃないの?

「カクヨムの諸君」
 どう思う?


 そこへ、みちのあかりさんがやって来て、

「莫迦いってんじゃないよ!」

 塹壕の中で腐ったミミズみたいにうじうじしている不平屋を蹴散らして吹き飛ばすのだ。
 その勢いたるや、遊星爆弾クラスの殴り込みである。
 いやあなたみたいにカクヨムの中では稼げる勝組の人に云われましても、と云いたいところだが、何だか云わせない勢いをもっている。
 なぜカクヨムは覇権が取れないのかという創作論に対するカウンター、

「覇権を取れないっていうけど、取るべきなのは書き手側でしょ?」

 はっと眼が覚めるような閃光と爆弾を、気分下降線気味の大勢のみなさんの頭上に、ドカーンと与えてくれるのだ。

 負のエネルギーというのは物凄い力を持っている。なんとも陰気かつルサンチマンで粘っこく、時として挑発的で「どうだぁ」そんな、ニヤニヤした皮肉込みだ。
 それに対して、みちのあかりさんはストレートな正攻法で対抗できてしまう。

 物凄いまくり方をする一方で、
「全発言、このみちのあかりの責任において発言しております!」
 そんな清々しさがある。
 反論のために真っ直ぐに手を挙げ、「はぁ?」と思うことに対しては真正面から反駁の平手打ちが出来てしまう。
 もちろんみちのあかりさんの手だって痛い。


「カクヨムの諸君」
 どう思う?

 
 タイトルにとくに意味はない。
 カクヨム根暗ランキングがあれば上位に入る自信があるほどわたしは陰の性質で、陽の人が苦手なのだが、みちのあかりさんのスパーンとした怒声が、わりと好きだ。