竹本ミヨコのおとぎ話 その2

日記に書き記されていた、今の今まで忘れていたおとぎ話です。


ゆりかごにいた赤ちゃんは、前世の記憶がありました。赤ちゃんは記憶が消えないまま、すくすく育ちました。その女の子は、「斬井きりい 芽々めめ」といいました。


やがて芽々は、前世の親に会いたくなりました。

優しく頭を撫でる、母親に。


現世の親は、芽々を虐待していたのです。


高校生になると、外へ出て、悪いこともいとわずやる、不良になりました。

しかし、前世の母親への思いは消えません。

むしろどんどん大きくなります。


悪いことでお金を稼ぎ、母親について調べるようになりました。


やがて母親が見つかりました。

芽々は、抱きつきます。ずっと会いたかったのですから、当然です。


ですが、母親の体は、骨になっていきました。まるでがしゃどくろです。

「やっと見つけたわたしの子!!」

母親はとっくに死んでおり、亡霊となっていたのです。


芽々はそのまま、亡霊に道づれにされましたとさ。

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