×××地区の都市伝説

サライ女

満月の夜、0時になったらあらわれる。

朝が来るまでさまよって、子供をさらっていく。

「わたしの子」「わたしの子」

と喚いており、一度捕まったら逃れられない。


鬼芽斬おにめぎり

屍鬼。子供の死体を集めている。

時間がたって紫色をおびた血が服に染み付いているため、紫色の服を着ているように見える。

日本刀を持ち歩いている。


コケトモムトラ

一体何なのか、幽霊なのか妖怪なのか屍鬼なのか怪人なのか、何をするのか、いつどこにあらわれるのか。何もかもわからない。

唯一わかっているのは、子供を探していること。


田のカナマキ

田んぼにいるカナマキさん。

子供は近づいてはいけない。

頭からバリバリ食べられてしまう。


御世戸みよとさん

あの世につながる戸を知っている謎の子供。

手足や顔のパーツが普通の人間と逆向きについていて、道連れにしようと追いかけてくる。


○○○

×××地区で噂されている都市伝説をまとめてみました。

これらの都市伝説の共通点として、「子供」が挙げられます。

都市伝説は、元々ただの作り話だったのにも関わらず、口伝いで急激に広まった結果都市伝説と化したものがほとんどです。

そしてその作り話は、大抵の場合、地元で発生した事件や事故、出来事がはじまりです。

実際トイレの花子さんの都市伝説は、100年以上前にトイレで起きた事故が元ネタでできたもののようです。


わたしは、これら×××地区の都市伝説に、トヨミや竹本ミヨコの謎を解くカギがあるのではないかと考えています。

地元で起きた誘拐殺人事件が、都市伝説として姿を変え、広まっているかもしれません。

もしそうだとしたら、呪われたりして。


話を戻します。

「子供」が関係する都市伝説。御世戸さん以外、子供にだけ危害が向いています。

サライ女は子供をさらい、鬼芽斬は子供の死体を集め、コケトモムトラは子供を探し、田のカナマキは子供を食べる。

御世戸さんは子供にだけ危害を加える怪異ではありませんが、本人が子供です。

トヨミは、さらわれて殺された子供です。

何か関係があると思いませんか。


鬼芽斬の「紫色の服」は、竹本ミヨコと特徴が一致しています。

サライ女の「わたしの子」という口癖は、竹本ミヨコの「わたしはミヨコ」に少し似ています。こじつけっぽいですかね。

「さらう」という要素も何か隠されていそうです。

一番異質なのはコケトモムトラです。

名前も意味不明ですし、子供を探していること以外は、一体何なのか全くわかっていません。


これらの都市伝説は、地元の人への聞き込み、わたしの記憶、インターネットを頼りにして調べあげました。

実は、子供以外に共通点がもうひとつあります。


全て、トヨミの事件が発生したあとからささやかれ始めた都市伝説です。

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