竹本ミヨコのおとぎ話 その1

竹本ミヨコがわたしにしたおとぎ話です。

○○○

あるところに盲目のお姫様がいました。

王女は心無い家族に虐げられていて、自分を大切にしてくれる王子様がきっといつか現れてくれると信じなければ、心が壊れてしまいそうでした。

ある日、お姫様は、城を飛び出していきました。そして、行っては行けないと家族に言われていた森へと向かいました。暗い森の中をはしりました。盲目な上、外にもあまり出せてもらえていなかったので、転んだりぶつかったり、たくさん怪我をしました。しかし、声がしました。

「大丈夫かい、お姫様」

とても優しい声でした。

お姫様は、王子様が現れたのだと喜び、

「王子様のところへ連れていって」

とついて行きました。

でも、それは王子様ではありませんでした。化け物だったのです。

家族は、盲目のお姫様を閉じ込めて、化け物から守っていたのでした。怖がらせないために、その事は黙っていました。それを、お姫様は虐げられていると思っていました。

お姫様は、そのまま化け物といっしょにどこかへ行ってしまいましたとさ。

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