概要
自分には名作を生み出すだけの力がある、と信じたかった
人気画家である娘が、個展で発表するための新作を描き上げた。
しかし、もう開催の日が近いのに、「納得いく出来ではないから発表したくない」と言い出す。
そこで私は、娘を説得することにしたのだが……
しかし、もう開催の日が近いのに、「納得いく出来ではないから発表したくない」と言い出す。
そこで私は、娘を説得することにしたのだが……
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!芸術家の業を持つ娘と、それを支える父の物語
全編を通し、教養に溢れた物語でした。
主人公である父親は芸術家の娘の家を訪ねます。完璧主義で名作だけを描きたいと考える娘は、新作について酷く悩んでいるのがわかります。
そこで、父親は必死に娘を説得するのです。
岡本綺堂の『修善寺物語』に出てくる夜叉王の面づくりの話をベースとしつつ、松尾芭蕉や正岡子規、手塚治虫たちも数多くの作品を残してはいるが凡作も多いのだとし、娘の気持ちを少しでもやわらげてやろうと必死に語りを続けます。
そこで出てくる逸話などは普段触れることのない内容のものが多く、「へえ」と思わず感嘆させられるような教養に溢れていました。
そうした説得の先で、父親は何…続きを読む