戦争が怖くて絶望する
「斉藤!お前を追放する!」
「臆病者め!同じノダ殿と同郷も者とは思えない」
「私もそう思うよ。男はノダ様だね」
「ええ、そうですわ。ノダ様よりも年上なのに恥を知りなさい」
「だから、スキルはコピーなのじゃ」
「はい。追放されます」
俺は斉藤堂山、親父に戦国武将と同じ名前をつけられたサラリーマン。32歳。
何故、追放されるかって、
それは、戦いが怖いからだ。
野田君と一緒に召喚された。いわゆる巻き込まれ召喚だ。
野田君のジョブは、召喚士、スキル現代武器召喚だ。
たいして、俺は、翻訳と収納は基本装備だから、複写(コピー)だ。
サラリーマンだからコピーなのか?
文書をコピーだ!
この世界植物紙はある。しかし、貴重だ。そうポンポン原本をコピーされたら大変だということで文官にもしてもらえなかった。
野田君について行って、荷物持ちをしろってさ。
いや、それはいいが、野田信好君は、高校生17歳だ。戦ったことはない。
だから、私はささやいた。
『辞退しましょう。魔族との戦いなんて、君、日本にいたとき戦いなんてしたことないでしょう?』
『サバゲーをやっていたよ。中々上手いって、サバゲ教官の人も言っていた』
『それは違います。違う。理由は言わなくても分かりますよね!』
『大丈夫、マガジンを入れ替えるときにチャンバーを引く本格的なサバゲーだよ』
『馬鹿ですか?!』
いかん。いかん。俺、口うるさいおっさんになっていないか?
なっている。
だから、優しく言ったら。
『そんな猫なで声で言うなよ。気持悪い』
こいつ!
何故だ?召喚って誘拐だろう。理由は分からないが気分が高揚している。
『不安でしょう。止めましょう』
『斉藤、チキンだな』
『ああ、チキンです。この戦いは私達の戦いではありません。』
こいつ、呼び捨てをするようになった。
絶望する。
おかしい。
最近の若い者は性格が良い。場の雰囲気を良くしようとする。俺らの世代と比べて良いところだ。
向上心がない?そりゃ、このご時世、他に楽しみを見つける生き方を選ぶだろうよ。
いかん。人をひとくくりで見ようとしている。
もしかして、引きこもりか?
『魔法の座学を始めます。魔力を高める授業です』
『え、それよりも、冒険者ギルドでクエストをやらせてよ。敵を倒せばポイントがつくんだ』
奴はどうやって召喚出来る?ポイントと言ったな。
まあ、他人の詮索はやめよう。
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