生首だけど、なんか可愛い!!!

 生首って、怖いですよね。
 
 基本、不気味なものだと思います。その辺に転がっていたら普通に「うえっ」となりますし、もしも空を飛んできたら悲鳴を上げたくなるのが定番です。

 そんな不気味さの定番の『生首』ですが、本作では妙にファンシーなものとして扱われています。

 もちろん、生首の顔が可愛いわけでもありません。普通におっさんです。
 それがベランダに飛んできて言葉は使わないけれど、妙に意思の疎通ができてしまうという、鳩みたいな感じにコミュニケーションを取れるというのが本作の特徴。

 この感じはどことなく、諸星大二郎の『栞と紙魚子』シリーズに通ずるものがあり、諸星大二郎ファンで漫画を全部持っている者としては嬉しくならずにいられませんでした。(この話、通じる人どれくらいいるだろう……)

 どこかほのぼのとした雰囲気で、若干不気味に見える存在との交流譚。ちょっと覗いてみてはいかがでしょうか。