天使のお仕事。
4024年、祠壊しブームによって発生した〝祠化〟の呪いにより世界は一変していた。祠を破壊した者が祠になるという連鎖的呪いにより、ミサイルなどの物理的大量破壊兵器を使用した国の為政者や戦闘員が次々と祠化していったためだ。
『皮肉なモノね。祠を破壊するという暴力によるブームが世界平和を実現させるなんて』
『はいはいミカちゃん、そろそろ人間さんたちへご奉仕の時間だよ~』
最初は祠化を恐れ、神へ祈りを捧げるようになった人間たちだったが、次第に強制された祈りに疲れ、祠さえ壊さなければ祈りもいならなくね? と祈るのを放置しだし、最終的には巻き込み事故で祠になりたくないと地球を脱出した。
『そういえばまた新しく祠化から戻った子がいるみたいだよ?』
『戻ったというよりは主神様が解かれたと言った方が正解ね。もうどうしようもない地球という世界なら私たち信仰概念は消え去るか、呪いを解いて永らえるかしかないもの』
『恩を売ることで神の存在も強固なモノになるからね~。祠にされた恐怖心もあるだろうし、信仰力は昔と比べたら人数比でかなりものだよ~』
地球から脱出した人類は信仰というものを止めたのだ。もし、新たに進行が生まれたとしてもそれは地球的概念のない当らたな神が神話と共に生まれるだけで私たちは消えていくのみだった。そこで、どうせ神や天使という存在が人と一緒に消えるのなら、祠化した人を解放して人類と共に地球再生を行うことにしたのだ。
『それにしても、なんで私たちが……』
『そりゃ、自分たちで生活できるほど祠化してた人間が強くも逞しくもないからでしょ』
『地球外に出ていった人たちは肉体だけじゃなくて、精神面でも2000年くらい進んでいるから比べるのも酷ってとこか』
遠い宇宙に見つかった生存可能環境の惑星へと移住した人類だが、その生存可能環境というのは現人類にとっての話だ。人類のいなくなった地球だが、そこではすでに自然も進化しており、旧人類では新天地はもちろん現在の地球で生き抜く力も持ち合わせてはいなかったのだ。
『さて、駄弁ってないでそろそろ行かないとっと。彼ら死んじゃうからね~』
『それもそうね。それはそうとガブリン、
「ウッス」
「次にそれ言ったら殴るわよ?」
「……ウッス」
私、ミカエルの概念であるミカと、カブリエルの概念であるガブリンは二人で霊体から仮初の肉体を形成して実体化し、祠を潜る。「ウッス」というのは過去、私が笑い死ぬくらい笑ったネタなので弄ってくるヤツには鉄拳制裁を加えることにしているが、今回は実体化までしており殴ると仕事に支障がでる可能性もあり、時間も本当にないため心苦しいが見逃してあげることにした……かったが、二度目はないと忠告してもやるバカは殴っておいた。
「それにしてもここをノアと呼んだ人はセンスあるよねー。言い得て妙ってやつ」
「海面上昇でほとんどの国が水没してるしね。ノアの箱舟じゃないけど一握りの人類しかどのみち助からないなら、見捨てるのではなく自ら地球を見捨てて出てってくれて助かったとも言えるわね」
もし、もし人類が祠に祈りを捧げるのを続けていたら、神の力で何とか出来たのではないか? そんなことも考えるけれど、指向性が祠化を恐れてのものであるなら無理だなと結論を出してました。そして神たちは神であることの放棄も辞しませんが、人類の生存か絶滅かを完全に白黒つけるために、最後の箱舟としてノアという国をエベレストを改造して作り、全ての祠をノアに集めて呪いが徐々に解除されるのを待っているのです。
「そう考えると神は救わないと人に植え付けて、自分たちの力で地球を脱出させるところまで主神様は見てらしたのかもね」
「ミカちゃんは真面目過ぎ。あの神たちがそこまで考えてるわけないじゃん」
「そうだぞー? カブリンの言う通り。祠なんてって言い方は悪いけどさ、たくさんあったじゃん? なのに壊されてたんでしょ? なら、どうせもうその時には神様なんて信じてないってー」
私たちの話に混じってきたのはラファでした。私たちは聖書に出てくるイラストを元に美少女化した肉体で受肉しており、人と同じ人間味の中に神秘性を表現することで親近感と神性を出しています。なので、超絶美少女で羽の生えたラファエルっぽい子はラファとわかるのです。
「で、今日は人手がいるらしいじゃん? 早く済ませちゃおうよ」
「そうね。始めましょうか〝天使のお仕事〟というのを」
天使は無数に存在するが受肉できるレベルの高位天使の数は限らている。その受肉できる私たちが行っている〝天使のお仕事〟というものはアレだ。いわゆる教員のようなものと考えてもらって差し障りないだろう。
「お仕事って言っても〝人類繁殖計画〟じゃん。ようはセッ―――」
「やめなさい。私たちは自由恋愛を推奨し、知性を持って地上の覇者を取り戻していただく必要があるのですよ」
「とりあえず、食糧事情が少し問題になってるようだから今日は農作業から始めるわよ」
生殖行為は大事なことではありますが、衣食住という最低限のラインも祠化が解除され人口も増えてくると問題になってきます。なので今のうちに先に解かれた人たちにこの4024年現在の生き方を教えなければならないのです。
「うわっ! なんで電波がつながらねーんだよ!」
「てか、ここどこ~? ね~、翔庸~?」
「……めんどそうな人たちが解放されたようですね」
「ミカちゃんミカちゃん。なんかあの子らに見覚えあるんだけど、ミカちゃんは何か思い出さない?」
男女二人が騒いでいるとさらに知り合いのような男二人が加わって、あれこれ現状について話し合い出しました。それを説明するのは私たち天使の仕事なのですが、ガブリンに言われて記憶を探りますが1000年ほど遡っても彼らのことは記憶にありませんでした。
「あー! もうじれったいなー! いちゃつくならもうセッ―――」
「やめなさい。それも手ですが今のままでは食糧事情がさらに圧迫されて動物が増えるだけです」
「「……ウッス」」
馬鹿なこというラファを止めるとガブリンと同じ返事を返されました。けれど、殴りたくなるはずが、今は重なって聞こえた男性の低いウッスが気になってそちらを振り向きます。
「あー……、あの子たちのこと思い出した。―――最後の祠を壊した4人組だ」
「えっ!? ってことがあの子が元祖ウッス!?」
「ねえ、ちょっち待って。あの子らの信仰力、神力に変化するくらい凄くない?」
「最古の祠の子らだしね。祈られた数がそこらの子らより凄いのは普通じゃないかな?」
なるほど。あの祠化の時から壊されずに残ってたとなると2000年以上の祠歴で、西暦を折り返した祠と考えれば一種の神性が宿っていてもおかしくないと思った。けれど、ガブリンは蒲浦と呼ばれる子を見て震え続けていた。
「いや……、特にあのウッスって子。私たち天使以上に神に近いよ?」
「いやいや、そんなわけ……は? ウッス君の信仰力は……56兆!? 新興宗教の神で1億くらいだし道端に転がる石ころじゃん! 古くからいる私たちでも40兆前後なのになんで!?」
「……何をばか……なっ!? え? ガブリンとラファの悪ふざけじゃないの?!」
目に神力を集めて観察すると、私以上の信仰力を得て神力化しているのが本当だとわかりちょっと、いえ、かなり引きました。
「……あの子、私より強くない?」
「ははは、ミカ君。それは脳筋の発想だよ?」
「しゅ、主神様!? どうして地上に!」
「なに。あの子らが目覚めたと聞いてね。あの方と一緒に降りて来たのさ」
促されるがままそちらをみると寿志くんと呼ばれる子と話しているマスターが目に入りました。
「やあ寿志くん。元気じゃったか?」
「ち、近寄らないでください! あなた方が僕らを祠にしたのは覚えてるんですよ!」
「つれないのぅ~。キミにとっては昨日のことじゃし、カミールという喫茶店名を覚えておるじゃろ。ほれ、何回か読んでみると〝神いる〟っとなるじゃろ」
「駄洒落じゃないですか!?」
4人組は相手が自分たちを祠に変えたのを知っているため迂闊な行動を取れないようだったが、主神様はここは任せて仕事に行けと私たちを送り出した。
「ねえ、ところでマスターって結局のところ何者だと思う?」
「何千年も生きてるけど謎なのよね~」
「私も知りませんけど、主神様と昔から仲が良いですね」
喫茶店のマスターを道楽でやっていて大半を地上で過ごしているが年齢不詳、そして天界にも勝手に上がり込むマスターという存在をなぜか私たちはマスターだからという理由で納得していたのでした。
「考えても今更だし、主神様がそういう対応をされているならマスターという今のままでいいんじゃないかな?」
「それもそうね。それじゃ、まずは農園の方から見に行きましょうか」
最期の陸地は通称〝ノア〟と呼ばれ、最終的に100万を超えるまで膨れ上がった祠の呪いを受けた人間が暮らせるだけの広さを持つ都市レベルの場所だ。過去の遺産も水没前に利用できるものは集めてあり、それらを使用しながら生き永らえているのが現状だ。
「何度言ったらわかるんだよ! そこは水を入れる穴で肥料を入れる穴じゃねーっていってんだろ!」
「じゃあ読めるようにしとけよ! 言葉はわかってもこっちは文字を読めねーんだよ!」
「はいはいそこまでー。ミカちゃん、アンドルさんが怒るのもイアナレさんの言い分もわかるから対応してあげてもいいよね?」
今日はほど祠化していた期間がないアンドルさんと700年祠になっていたイアレナさんで、超々高度文明の扱いはなんとなく出来ても文字が読めず使用する穴を間違えたようでした。
「といいますか、カレッソさんはどうしたんですか? 今日はイアレナさんの当番じゃなかったと思いますが」
「あいつに頼まれたんだ。今日は相棒と大切な用事があるから変わってくれって」
「……ああ、そういえば今日は彼らの結婚記念日でしたか。私の配慮不足です。二人ともすみませんでした」
「あんたが頭を下げることじゃねーだろ。なあ」
「ああ、その通りだ。そういう大事な日を有給申請してなかったカレッソのやつが悪い」
私が調整不足の謝罪をすると慌てたように顔を上げてくれと二人から言われた。人種も、年齢も、生きてきた時代さえも違う人たちがこうして関りを持って生きることになったのは自業自得の面もありますが、私たちの神のせいでもあるので心苦しくもありました。
「とりあえず、なんだ。今日は俺の指示に従ってくれや。文字の件はお互いに勉強していこう。俺もあんたの書いた文字はよめねーからな」
「ウッス、ミカさんたちに苦労かけたくないからな」
けれど、なんとか人類を生きながらせたいという私たちの頑張りも伝わっているようで、私に苦労を掛けたくないと言われて嬉しい気持ちになり、お礼を言ってその場を後にしました。
「ミカちゃん、私……恐ろしいことに気付いちゃったウッス」
「え、ガブリンも? だよねだよね! あの屈強そうな二人に芽生えた愛の波動に気付いちゃったかー! 今夜はあの二人は激しくお互いを求めあうセッ―――」
「やめなさい。まったく、ラファはすぐそういうことに繋げる」
「そウッス、そウッス!」
「ガブリン? あなたも無理にウッス付けない」
「……いたい。ミカちゃんそんな強く殴らなくてもいいじゃない」
ガブリンが何かいっていますが散々忠告したので無視です。けれど、それとは別に何かを言いたそうでしたので発言の許可をすることにしました。
「えっとさ、イアナレさんのウッス聞いてて思ったんだけど……、もしかしてウッスの子、祠になってからウッスって発言全てが祈りとして捧げられてたんじゃない?」
「もうそれってウッス神じゃん! やばやばだー!」
「……それならあの信仰力も納得できますね。天界からもあなたのようなバカ天使が信仰力を注いでいたのですから」
蒲浦くんの謎も解けてスッキリとした私たちは次の見回り箇所である真空菜園を訪れました。真空菜園とは地の如く真空空間で野菜や米など栽培する方法で、文字通りドアも窓のないビルで真空状態を作り出して行われます。
「うわ……、何度見ても原始的な入り方だ」
「技術が進化しても人間は進化しないのよ。それにほら、ちゃんと壁も自動修復で塞がるから問題ないわ」
「どう聞いても脳筋の発想じゃん……」
二人が私の正規ルートでの入り方に文句を言ってきますが無視です。ドアも窓のないビルへの入り方は壁を破壊して侵入するのが正規ルートなんです。その後、壁が修復されたのを確認後、次の壁を破壊して奥へと進む。こうすることでどんどん入り込んだ空気は減っていき、最終的には真空空間を維持しながら潜入できる空間になるのです。
「ここは何も問題なしね」
「いやいやいやいや……、どう考えても問題ありありだよね!?」
「そう? 何も問題ないと思うのだけど……」
「担当の宮地さん、宇宙菌の苗床になって死にそうだよね!! これでミカちゃんは問題ないの? あの真面目で優等生のミカちゃんが問題ないの!?」
「ええ。強くなければ生き残れない。食べ物っていうのは食うか食われるかの世界ですから」
私が本気のトーンで二人を黙らせるとさすがにドン引きされたので、冗談ですよと場を和ませてから宮地さんに生えているキノコを引き抜いて救出します。
「で。宮地さんはどうして苗床に?」
「おで、つまみ食い、しようとしたらされた」
「そうですか。自業自得ですね、次いきますよ」
「荒れるミカちゃん……怖い。―――ぴぴるぴ~~~♪ 宮地さん、次はないから気を付けてね?」
「ガブリン様ありがとうございますありがとうございます!」
ガブリンに感謝している宮地さんを見て、本当に次は助けないし助けちゃダメだよと二人に念押ししておきます。共同生活をしているのに自分だけ良ければという考えは揉めて全てが破綻する可能性を秘めているのですから。
「ねえ~、この視察して思ったんだけどワンオペとか人数少ない職場多くない?」
「そりゃそうだよラファちゃん。世界は少子化の一途をたどっていたんだから、少人数で回る様にワンオペで回る様に機械化したインフラの進化は当然の帰結とも言えると思うよ」
「ガブリンちゃん賢い! 凄い!」
「はいはい、茶番はそれくらいにねー。けれど、ワンオペや少人数で作業しているのが原因で今日のトラブルが起きてるのよね……。監視ってわけじゃないけど、休憩や休みが取れるように予備人員を増やしましょうか。少人数化が進み過ぎた施設ばかりで人は余っているのですし」
それからも幾つかの施設を回り、労い、要望があれば声を聞いて私たちは天界へと戻ってきました。真っ白な巨大な天門を潜り抜けると主神様の他、あらゆる神たちが勢ぞろいで何やら話し合っていました。
「いいんじゃない? 彼がそれを望んでいないなら無理に神の地位を授けなくて」
「じゃが、ウッス君は信仰力がワシらよりも高いのです。神という地位をいただいているワシらの立つ瀬がないのですぞ」
「わっちはそれでもかまわんよ。人の信仰から生まれたわっちらじゃが、人間が神を上回るなんぞ最高に面白かろうて」
名が有名な天使である私以下の有象無象の神々が話し合っているのは蒲浦くんのことでした。すでにウッスくんや、ウッス神という呼称が定着し、それが加速度的に信仰心に変換されて更に神化が進行しているとも知らずに弱小な神々たちは無駄な話し合いを続けます。
「そこまでだ! ウッスくんと話はすでに私が着けてある。皆の考えが知りたくて黙っていたが、それなりに好意的で嬉しいぞ」
「しゅ、主神様! では彼を神の一柱に昇華させるのですね!」
主神様の鶴の一声で場が静まり返り、発言からその溜め込んだ信仰心の強さを称えてウッスの神にするような口ぶりに神々が次第に騒めきだした。そして私たち後ろから渦中のウッスくんが現れて神々が横へと逸れて主神様へと続く道をつくった。
「彼が皆が噂していたウッスくんだ。そして……」
「ちょ、ちょっとマスター? ここはどこですか?」
「寿志くん、キミって案外大物じゃの~。まあ、知っておったがな」
「で、ここはどこです? あ、蒲浦くん。なんでここに?」
空気を読まずに後から登場したのは寿志くん、神の力が後光として見える男の子のはずですが周りの至る所から神の力が溢れているためただの明るい空間と認識しているようでした。
「でな、寿志くん。キミの案を採用しようと思うのじゃがよいじゃろうか?」
「マスター……正気ですか? 神さまってそんな簡単になれちゃっていいんですか?」
「いいんじゃ。どうせ人と共に生きるか死ぬかが決まるなら娯楽として面白いことが起こったほうがええじゃろ」
正体不明のマスターは全てが道楽、娯楽であるかのように神という地位すらも消耗品のように遊びの道具にしようとしているように感じました。
「皆の者、これよりー! 祠バトルトーナメントを開催する! これはウッスくんと寿志くんからの提案を主神たる私が聞き入れたものである!」
「……ねえ、祠バトルトーナメントって何かしら?」
「私にわかるわけないじゃん」
「主神様のお考えは絶対だよ。天使のお仕事はそのお手伝いをすることだけ」
長い説明が終わり解散した大広間では天使たちが集まり、次の仕事の割り振りを相談しています。要約すると祠化した全員に神になる資格はあるのではないかという寿志くんの意見をもとに、ウッスくんもウッスと賛同し開催が決まったようなものだった。
「ルールは祠化で得た信仰力を使って相手の祠を壊すこと。祠といっても信仰の依り代としてのだからその子はもう神になれないってだけで命には関わりのない代償を支払う感じかな」
「全身の祠化が解けても祠はどこかに残ってるしね。ある意味で解放の儀式の面もあるしいいんじゃない?」
「審判はどうする? あーしは嫌だけど」
「私も嫌よ。判定とはノリと雰囲気っぽいし」
あれこれ揉めながらも役割がどんどん決まっていき、私とガブリン、ラファの三人で司会進行兼審判を務めることになりました。そして一ヶ月が経ち、ついに新たな神を選出する祠バトルトーナメントが開催される日が訪れました。
「れーでぃーす&じぇんとるまん。これより祠バトルトーナメントを開催します! 祠化で得た信仰力を使って奇跡を起こして存分に戦ってください! 優勝したホッコラーが次の神です! 神になれば好きなだけセッ―――」
「やめなさい。それより……ねえ、ホッコラーって何?」
「うぅ……いたい……。ホッコラーは祠化していた人たちのことだよ。レスラーとかみたいな?」
頭の痛い司会のラファをよそにトーナメントは順調に進んでいきます。ええ、順調にです。大半の人は奇跡なんか起こせないので何か起きないか試して、無理そうなら棄権をしてくるのでほぼ全試合がバトルなしで終了しました。
「盛り上がりもなにもないじゃない。トーナメント表を作ったのはアリエですか。あとでお仕置きですね」
「まあ、いいじゃん。お祭りなんだしミカも楽しもうよ!」
「……ウッス……ありね」
ホッコラーたちによる祠バトルトーナメントも終わり、いつの間にか力を使いこなす肯定のウッス神が誕生した。その後はただのバカ騒ぎ、新たな神の誕生を祝ってお祭りが開かれました。
「いいことかはわかりませんが、私たちも随分と人間味が出てきましたね……」
「ウッス神のおかげだね。人は肯定されることで人としての尊厳を得られる。私たちは感謝されて天使のお仕事を肯定されたからこうしてバカやれる」
「何もかも神さまの手の平の上かー」
「いいんじゃない? それも」
ここ最近の出来事を通じて私は人らしく変わってもいいんじゃないかなと思えた。私たち天使のお仕事は人と共にあることがきっと一番大事なのだから。
天使のお仕事。 たっきゅん @takkyun
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます