第3話 決して戻らない決意

SNS後遺症との戦いは、まさに精神力を試される日々でした。毎日のように戻りたい衝動と戦いながら、私は一つの真実に気づきました。それは、SNSを完全に断ち切るということは、物理的にアプリを削除したりアカウントを閉じるだけでは不十分だということです。もっと深いところで、心の中に根付いた「つながりたい欲求」と向き合い、それを乗り越えなければならないのです。


SNSをやめたことで、確かに私の生活は変わりました。時間の感覚が戻り、無駄にスマホを手に取ることが減り、執筆や趣味に集中できるようになりました。しかし、それでも、ふとした瞬間に戻りたいという誘惑が襲ってくる。まるで、目の前にドアがあって、その向こうに簡単にアクセスできる世界が広がっているかのようです。SNSの誘惑は、決して消えることはなく、常に存在しているのです。


そのため、私は「決して戻らない」という強い決意を持ち続ける必要があることを痛感しました。戻れば、再びその中毒性に支配され、SNSの波に飲み込まれてしまうことが目に見えています。私はもう一度、その世界に足を踏み入れるわけにはいかないのです。何度も自分に言い聞かせます。「戻ったら、すべてが無駄になる。追われる生活に戻るだけだ」と。


SNSは、瞬間的な快楽を与えてくれる一方で、長期的な達成感や満足感を奪っていくものです。呟いた瞬間は気持ちがいいかもしれませんが、それが本当に満足につながるわけではありません。私が求めているのは、一時的な承認ではなく、執筆や創作活動を通じた真の達成感です。だからこそ、SNSに戻ることは、自分自身を裏切る行為であると感じています。


この「決して戻らない」という決意は、時には孤独との戦いでもあります。SNSが提供するのは、瞬時のつながりと反応です。それが無くなった今、私は自分の中にある孤独感とも向き合わなければなりません。SNSの世界は、つながりを感じさせてくれる反面、私たちから本当の意味での自分自身と向き合う時間を奪っていたのです。


私は今、SNS後遺症との戦いを通じて、新たな自分を見つけようとしています。SNSに頼らず、自分自身の内側から生まれるものを大切にし、それを発信していくことが私にとっての新しい挑戦です。確かに、SNSは便利なツールかもしれませんが、私が本当に望むのは、もっと深い場所から湧き上がる創造力や達成感です。それは、SNSという表面的なつながりでは決して得られないものなのです。


私は決してSNSには戻らない。そう自分に誓いながら、これからも自分自身と向き合い、創作に励んでいきます。SNS後遺症との戦いは終わりが見えないかもしれませんが、私はこの戦いを通じて、本当の意味での自由を手に入れることを信じています。


この3話を通して、SNS後遺症とは何か、そしてそれにどう向き合うかを描きました。SNSが与える中毒性や、その後遺症に苦しむ人々が少しでも共感し、同じような戦いを乗り越える助けになればと願っています。

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離れた後のSNS後遺症の実態 白鷺(楓賢) @bosanezaki92

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