読者の脳をとろかすほどの、激カワあやかしストーリー

 なんとも、読み終わるのがもったいないような幸福感でいっぱいの作品でした。

 とにかくもう、主人公が可愛らしいのです。
 あやかし少女の陽和(ひわ)は女子高生として人間の世界に入り込んで暮らしています。

 なんといっても、陽和はとにかく「ユルい子」なのです。思考や行動、言動のすべてがふわふわとしていて、なんでもポジティブに受け入れられる反面、後先をまったく考える感じにはなりません。

 でも、そこがもう可愛らしい。

 この陽和のゆるふわなメンタルは、一人称の地の文にもいかんなく発揮されています。
 なので読者は文章を読む内に、どんどん陽和のゆるゆるメンタルに思考を侵食されていきます。ほんわりと微笑ましくなる一方で、その可愛らしさに脳がとろかされていくのではないか、という気分にもなります。

 ひたすら可愛くて、幸福感を与えてくれる一作。かつてない充実感が読者に襲い掛かります!!

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