一話目を読んだ段階で、こいつはすごい小説だ! とテンションが上がりました。
大晦日辺りの時間。とある蕎麦屋に一人の客が現れる。
その客は、自分を「異世界の住人」だと名乗り始める。そして異世界の力を使い、現実世界で成り上がってやろうと言い出す。
それらの話を華麗にスルーし、ひたすら蕎麦を食べさせようとする店主。
それで客は帰って行くのだが……。
とにかくもう、設定がすごいのです。
蕎麦屋という、ごく平凡で日常的、大みそかにおいては風物詩ともなっているもの。
そこで出される「蕎麦」というものを通し、どうにも広大なスケールの何かが始まって行く。
「異世界の住人」という概念に何やら干渉してしまう蕎麦。
それがどんな蕎麦なのかは、是非とも作品を読んで確かめて欲しいです。
この先も、この店では一体どんな蕎麦が出現し、どんな客が来訪するのか。
続きが楽しみでならない作品です。