DM数:8件目 1cmの距離

ぴこん

目を薄目に開くとカーテン越しに明るい光を感じる。

いま何時?暖かいし2時とか3時かな?

そんなことを考えてなんとなくで

スマホを触って開くと。

《川島!元気か?》

そんな元気すぎるような文字が目に飛び込んできた。

始めて友達に心配して貰えたきがする。

こんなにも嬉しいのか…

胸が詰まる。

さっきまで考えていたことも頭からすーと抜けていくように消える

幸せなのかな。



こんこんこん

ドアをノックする音が

私の部屋中に響き渡る。

お母さんがきたのかな?


「はーい」



その瞬間私の目が見開かれた。



「メールでも送ったけれど

体調大丈夫か?川島〜」

信じられない。

人気者の山田くんが

私地味女、代表の私の部屋の中にいる。

余計に頭が混乱して熱がでそうなくらいだ。


「ほれ これプリント」

山田くんは私にプリントを渡してくる

「あとコンビニで買ってきたんだけど

スポーツ飲料とか飲めるか?」

「うん ありがとうすぎる。」

飲み物が少なくなっていて丁度1階へと降りようとしていたのだ。

とても助かる。

そして両手でペットボトルを掴もうとしたときに、

ツルッ

手からペットボトルが滑って落ちてくる。

体に当たるやつだ。

地味に痛いんだよな。

布団があるから痛みを軽減してくれるかな?

もう私は熱で重い体を動かすことを諦めていた。


そして山田くんが急接近する。

こっちに顔が近ずき、

お互いの呼吸の音が聞こえるくらい。

私の地味な髪が彼の綺麗な肌や整った顔に触れる

手が絡み合う

「セーフ」

いや近い。

近い近い近い。

その至近距離から

山田くんはなんともいわずに

けたっとした慢心の笑みを浮かべる

きっと私以外の女子なら惚れていただろう。




私も少し。



いや熱のせいで


どくどくどくと


心臓の動きが速くなる。


「川島。」


名前を呼ばれ山田くんの目を見つめる


2人は見つめ合う。


え、なになになに?!


山田くんは顔を近ずけたまま、私の顔の方に手を伸ばした。


初めての接吻ってやつをしてしまうのだろうか。



「〜〜〜??!」

言葉にならない声がから鳴り出す


ヒタ



冷たい感触がおでこを包み込む。

「なんか俺が部屋に入ったときよりも

熱少しあがったんじゃねーの?」


その瞬間私はベットに勢いよく倒れてしまった。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る