DM数:7件目 比べられっこ
頭が痛い。
喉も痛みを訴えてくる。
体が寒い。
鼻水が鼻からスライムみたいに
落ちてくる。
これはきっと
「風邪ね〜
今日は休みなさいね」
お母さんにもそう言われてしまった。
続けてお母さんは
「まったくもうお兄ちゃんをみならいなさいよ」
という言葉を放ち
私の狭い狭い部屋から出ていった。
私はその瞬間、体が崩れた。立ち上がれない。
まあ風邪なので半分すわっていたのだが。
動けない。考えたくない。
でも吐き気も何もしない。
しんどさも、いつのまにかどこかに消えて
無の感情で時間を感じる
(お母さんはいつもそうだ。
お兄ちゃんばっかり。私だって…)
昔からお母さんとお父さんは
私の兄のことばかりだった。
出来のいい兄なのでそんなこと分かっていた
私なんかの平凡女とは比べ物にならないくらい。
天と地の差があるくらい。
ここにも居場所がない。
でも飯をもらえて宿も、もらえるだけありがたいのだろうか。
私に対しての気持ちや愛情は一切感じれないが。
兄ばかり物を買ったり、褒めたり、愛したりしているだけだ。
私が気持ちを押し殺して、
深い深いクローゼットの中に
殺した気持ちを押し込めば済むことなのだ。
そうSNSに逃げたように。
SNS。
私にはSNSしか居場所がない。
寂しさを共感してくれて、
私に寄り添ってくれて
イイネを貰えたら、こんな地味な私でも
この世に存在してもいいんだって
確かな証明へとなるから。
私の絵よりお兄ちゃんの絵を褒めるやつなんてどこにもいないから。
そんな思いをぐるぐると考えるうちに
寝てしまったそうだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます