DM数:3件目 死にます
彼は私がよく見たことある画面を見せてきた。
そこにはシャインという文字の他に、
可愛らしい女性のアイコン、
7分前には空き教室で楽しく話している。
という投稿がしてある。
は と息をのみ、吹雪は我に帰った。
そして頭と体で理解し、体から汗がじわりとでてくる なぜだか寒い。
今は8月の昼間なのに。
そんな状態の吹雪にとどめをさすように彼は
「これってさシャインって
吹雪 だよな???」
と残酷に、冷徹に、言葉のナイフを吹雪の胸の辺りとみぞおちに突き刺す。
心が裂けるように苦しい。
多分。というか絶対に酷い顔をしていたのだろう。
彼の顔がひきつる。どうしよう、どうすれば
「……お願いします誰にも言わないで。」
「ということは吹雪ってことで間違いは無いんだな?」
やばいやばいやばいやばいやばいやば、、
なにか、なにか言わないと。
なにかなにかなにかなにかなにかなにかなに
なにか!!でないと私もう、しにたい
死…
「死にます。」
「え???は?」
「私、それ が他の人にバレたら死んでやります…」
「いや、意味わからないから……」
「だから!!!他の人にそのアカウント教えたら死にますからあ!!!!」
必死な抵抗だった。顔には汗と涙と鼻水が混じって酷い事になっているし、地味な吹雪が大声を上げているのでガラガラな声が机以外ない教室にこだましている。
なんてざまだ
そして彼はそんな状態の私をけらけらけらと笑い始めたのだ
「ちょっと、待って…ふっ
ははっ、面白すぎるんだけど…」
そして彼はそんなに面白かったのか
数分爆笑したと思ったら涙目になって
「人にばらすつもりないよ俺」
「へ??」
「でも少し協力して欲しい。」
私はてっきりばらされて死亡するエンドなのかと思い、
ぽかーんとアニメでは音がなるように
彼を何秒間か凝視してしまった。
高い鼻、少し焼けているが綺麗な肌、
ぱっちりしている目
こいつ顔もいいのか…
腹が立つ
だなんて頭をよぎったときに
「まって?協力???」
「そう。協力 吹雪にしか頼めない。」
イケメンが女子にモテる理由は多分こういう
特別感をだす言葉を簡単に言えてしまう世の中だからなのだろうな。
いや、今はそれじゃない。
協力ってことは
彼に困り事が?
あのいつも笑ってそうな山田が?
あほ面の??
なにか困っているの?と訴えるような目で見つめた。
そうすると、彼は
いつもは見せないような表情で
遠い、どこかをむきながらうつむきながら
「…まあ でも俺は元気だから大丈夫。」
とささやいた。
声も表情もなにもかも、
いつもの山田清夏とは別人だった。
だからだろうか、
彼がイケメンだからだろうか、
自分のアカウントは晒されないと安心したからだろうか、
「な、なにをしたらいいの?」
そう言って
山田くんの
珍しく弱々しい手をとってしまったのだ。
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