DM数:5件目 山田くんのおねがい
「協力して欲しいことってなに?」
放課後、空き教室、山田くん
そう。人気者の山田くんが私に協力してほしいと訴えてきたのである。
「川島…その俺に」
ゴクリ…何を頼まれるのだろうか、
アカウントの件を、黙る代わりに金をよこせとか?
いや山田くんはそんなことしないはずだ。
では、なにを?恋愛相談???
だが山田くんは人気者だし、
他にも恋愛相談をできる女子は少なくないはずだ
じゃあ、私にしか頼めないことって…?
「その、イラストをかいてくれないか!」
ん?なんて?イラスト?!
「はい??」
彼はもじもじと申し訳なさそうに言った。
「いやその、俺じゃなくて
俺には病弱な妹がいて、最近元気がないんだ…だから妹が好きなキャラのイラストを描いてほしくて…」
(あれ?!そういう??!
だから5万人もフォロワーがいる
有名なイラストレーターの私に???!!)
たしかに、それならば
昨日困っているのかと聞いたときに
うつむいて悲しそうだったのもわかる。
それだけ山田くんの大切な妹さん
なのだろう。
それならば、アカウントを隠してくれる
言い換えれば私を殺さないでくれている山田くんには
とびっきり凄いイラストをプレゼントしたい。
「ロリコンとかおもうなよ?!」
山田くんが必死に訴えてくる。
その必死さにすこし頬が緩んでしまった
「…うん。任せてよ」
(だがまあ、イラストは得意分野なのでね。)
これだけははっきり言える吹雪自身の得意分野なのだ。
だから絶対に妹さんを元気つけたいと決心したのだ。
そうと決まればラフやらなんやら決めなければいけない。
「山田くんどんなキャラを描けばいいの?」
「えっと
マンパンアンってわかる?」
うん。なにそれ
スマホで調べてみる。そこで私は失態に気づく…
そう、
吹雪は人を描くことは好きだが
パンをかいたことはないのだ。
どうしよう、初めて見た…
でも期待には応えたい。吹雪はやると決めたらやるのである!
「山田くん
そのマンパンアンの写真送れる?
あと設定とか教えて欲しい」
「うん、了解」
そういいつつ、私に1件の通知が来る。
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