@正反対な君に

@sasa1111

DM数:1件 彼からの誘い



―――1年前の私へ―――


今思えばあんなことになるとは想像もできなかったよね。


でも大丈夫。そばにいてくれる人は沢山いるから


ね?


言ったでしょ。



「川島、放課後少し時間ある?」

川島吹雪が山田清夏と初めて話したのは、

暑いくらいの日差しが、窓から突き刺してくる8月の昼休みのことだった。

彼は山田くん。クラスではお調子者で、

よく皆を巻き込んでは笑いの渦を作っている人。

だが私は臆病でスマホ中毒で友達がいない。

いわゆるボッチというやつなのだ

彼は私とは 住む世界 が違う人だ。

そんな彼が今私、吹雪の前に立っている。

何故?放課後?なにを?わたしでいいの?

そんな疑問ばかりが頭をよぎったが

「う、うん。あるけど…」

私はそう答えてしまったのだ。

そしたら山田くんは笑顔で

「なら良かった! できれば空き教室に来て欲しい。少し聞きたいことがあるから。」

その眩しいけたっとした笑顔に私は

こいつはどんだけ笑顔が眩しいんだよ。

と考えたが

表情をなにひとつ変えずに

「…わかった。」

と了承の意を伝えてしまったのだ。

私は人と喋るのが苦手だ。そんな私がクラスの人気者と喋っていいのか?

そんな疑問が頭の中をグルグル駆け巡って

午後の授業はなかなか集中できないのであった。





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