自分がどんな小説が書きたいかな、と考えているときに読みました。主人公の中にも山下の中にも自分のように感じるところがあり、また、彼女らの描かれていない場面での生活、描かれていない未来に対して思いを馳せることができました。自分の不安定さや遺された者の痛みを、ある意味暴力的に祓っていますが、案外、人間が生きていくというのはそういうことかもしれません。今流行りの寄り添う人間関係ではないかもしれませんが、向き合うということ自体の根本を考えさせられる作品でした。
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