遺書
第10話
お母さん、お父さんへ
わたしが死んだのは、紛れもない事実です。
でも、誰も咎めないであげてください。
誰も責めないであげてください。
誰が悪いわけでもなく、わたしが、わたしの意思で死にました。
いじめとかは、全くなかったから。そこは安心してね。
友達にも恵まれて、(1人だけだけど…)楽しい学校生活をおくりました。
その友達は峰高エミリと言います。エミリに、1つだけ伝えてほしいことがあるんです。
『軽い気持ちで男と付き合うのはやめて、自分や周りのことを考えてこれから出会う誰かと交際してください。』
わたしの死は、いわば“勲章”です。
それに、人間はいずれ死ぬものです。それが少し早まっただけ。
お母さん。もう朝叩き起こされることはないけど、ないとなると少し寂しいです。産んでくれてありがとう。
お父さん。ウェディングドレス姿見せられなくてごめんね。1度は「お前に娘はやらん!」とか言ってみたかった?大切に育ててくれてありがとう。
2人とも、世界で1番大好きだったし、大嫌いでした。もちろん、いい意味でね。
体には気を付けて。わたしの分も、ちゃんと長生きしてよね。
ありがとう、ごめんなさい。
そして、さようなら。
友達の英雄になった親不孝な娘より
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