疲れた社畜リーマンの恋の行方は…!? 温かい甘酒のような優しいお話

心がぽかぽかするBL。まことにごちそうさまでした!

底冷え厳しい京都の冬で、残業終わりの帰路の寒さと、暗く寒い道にぽっとともるお店の明かりとそこで振る舞われるお酒と料理の温かさの対比に、読んでいるこちらもホッと幸せな気持ちになります。
しかも、お店の店主も銀髪金眼のイケメンで、その上優しい……!
店主の頭にツノのようなものが見えるのは多少気になりつつも、疲れた社畜リーマン(仕事はできる)の立花さんは胃袋も心も鷲掴みにされるわけですが……

他のあやかしや会社の年上部下との絡みの中で、徐々に社畜リーマン・立花さんの持つ生きづらさや自己肯定感の低さ、それに起因する人間関係の思い込み……などなど現実でも「あるなあ〜」と思わせるあれこれが織り込まれているのが上手いなぁと思いました。
五代目酒呑童子もただの気のいい頼りになるお兄さんというわけでもないんですね、これが。

ハッピーエンドに至るまでの山あり谷あり社畜リーマン・立花さんの感情にいつの間にか共感し、「がんばれ〜!」と応援しながら読んでいました。