災害と障害と、持病を考える

白鷺(楓賢)

本編

私は大きな災害に直接見舞われた経験はありません。しかし、ニュースや文献を通じて大災害のことを知り、映像を見るたびに心が痛みます。大規模な水害や地震のニュースは、特に最近では毎年のように耳にします。被害の大きさや悲しみを伝えるメディアの映像に心を揺さぶられ、胸が締め付けられる思いを今でも忘れることはできません。


現在、私は比較的穏やかに暮らしていますが、災害がいつ自分の身に降りかかるかは分かりません。そのため、ある程度の備えをしておくことはとても大切です。特に私のように障害を抱えている場合や、両親のように持病を持っている場合、非常時の備えと対応について考えておくことが重要だと感じています。


たとえば、私の父は週に3回の透析が必要です。透析を受けなければ心臓に負担がかかり、命に関わる危険があります。避難する際には、透析を受けられる施設が近くにあるかどうかを事前に確認しておくことが求められます。母も糖尿病を患っており、毎日インスリン注射や血糖値の管理が必要です。もし避難先でインスリンが手に入らなければ、体調を維持することは難しくなります。


私自身も、発達障害、うつ病、そして糖尿病の治療を受けており、いくつかの病院から薬を処方されています。薬が切れることは体調に深刻な影響を及ぼすため、非常時には薬の確保が必要です。また、両親は足が不自由で、素早く行動することが難しい状況です。避難が必要なときにどう動くか、どのように支援を受けられるかを事前に考えておかなければなりません。


私は就労継続支援B型事業所に通っており、災害が起きた場合、両親とは別行動になる可能性があります。その際にどのように連絡を取るかも重要な課題です。特に母はスマホを持っていないため、家族間での連絡手段について考えておく必要があります。


日頃から、災害時にどこに避難するか、避難先での医療施設の状況、必要な物品をどのように持ち出すかを考えることは非常に重要です。災害用の備えとして、必要なものを一箇所にまとめ、持ち出しやすい状態にしておくこと、障害があることを伝えるカードを常に持ち歩くことなど、少しでも自分を守るための手段を用意しておくべきだと思います。


日本は災害が多い国です。今は穏やかに過ごしていても、何が起こるかは分かりません。だからこそ、非常時の備えを意識し、いざという時に慌てず対応できるように準備しておくことはとても大切です。


私たち障害や持病を持つ者にとっては、特にその備えが生死を分けることもあるかもしれません。災害が起きたとき、自分や家族をどう守るか、どう行動すれば安全かを、日々の生活の中で少しでも考えておくことが必要です。大切な命を守るため、備えを怠らずに過ごしていきたいと強く思います。

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