近江の鬼神 〜“ギャルゲーの親友キャラ”とやらに転生したらしいが、世界が危険に満ちている〜

　かつて“鬼神”と恐れられ、数多の修羅場を生き抜き百戦錬磨を体現せし男がいた。娘も同然の少女、それに己を“鬼”から引き戻してくれた仲間たいのため、総計二百と五十にものぼる反社会勢力の者たちを道連れに彼は平成の夜に命を落とし、その生涯を終えたという。
　その後、彼は目を覚ます。死人となったはずの己が生きていたことに困惑するが、後にその世界がゲームの世界であるとわかった。俗にギャルゲーと呼ばれるもの。男はサブカルチャーに触れた経験すらなく、この後になにが起こるのかすら、己のみではわからない。その上、そこは生前の日本とは比較にならぬほどに無法の地であった。
　しかし、それでも己は“鬼神”である。再会したかつての仲間、新たな友人を守るべく、この力を使い生き抜いてみせようと胸に誓った。

　一方、元の…続きを読む