主人公アルフレッドの「普通の少年」としての葛藤と成長をしっかりと描いている物語だと感じました。
チート能力を持つ幼馴染のリリヴィアと、それに振り回される凡人主人公のアルフレッドという対比が面白く、飽きずに読み進めていけます。
冒険者ランク、ジョブ、スキルといったゲームのような設定に、体力の消耗、高山病、薬草の知識、魔物の習性など、細かな現実的要素が盛り込まれていて、しっかりと世界観が作りこまれているなと感じました。アルフレッドが普通の少年で、序盤のリッチに苦戦するのが特に印象に残りました。リッチ強すぎ!
今後、彼がどのように最終ゴールの英雄になっていくのか、展開が気になる作品です。
憧れの冒険者になったばかりの少年・アル。
彼は幼馴染のリリに誘拐され、ともに冒険に連れられることに。
「ふふん。私達がやることはすでに決めてあるわ。魔王退治よ!!」
「はあっ!? 普通の駆け出しは、簡単な依頼で経験を積んでいくもんだろ」
ということで簡単な依頼から始めるも、場違いなほどにハイランクの魔物に出会い、いきなり殺されかける。
が、どこからともなく現れた幼馴染の強すぎる援軍によって、アルはどうにか助け出された。
「なんでそんなに魔王退治に行きたいんだよ?」
「それは、私が【勇者】で異世界転生した【転生者】だからよ。【転生者】は異世界で無双する。これは常識でしょ」
リリは、チート能力もしっかり持っているらしい。
ちなみに、アルの称号は〖ザ・苦労人〗である。
「そりゃあ、まだ駆け出しですからね」
かつてない格差コンビが紡ぐ、過酷で笑える冒険譚!ここに開幕!
主人公・アルフレッドの幼馴染み・リリヴィアは、異世界転生者
もちろん最強のリリヴィアに付き合わされる形で、アルフレッドは魔王退治の旅へ繰り出すのだが──という導入から始まる本作品は、いわゆる「ステータスオープン」系の異世界ファンタジーだ
(※ あくまで"系"であり、本作品にステータスオープンという概念はなく、ステータスを知るには鑑定スキルが必要になる)
スキルや魔法の設定も詳細に詰められており、まるでゲームをそのまま現実に持ってきたかのような雰囲気の作品となっている
とにかく強くて行動も突飛なエキセントリック幼馴染みに無理矢理引っ張られていくアルフレッドだが、決して受け身ではなく、どちらかと言えばリリヴィアの舵取りを担当する役目だ
また、リリヴィアが強すぎて少々霞むが、アルフレッドも年齢やランクと比較して明らかに優秀であり、名ばかり主人公でないことがすぐにわかる
この二人が噛み合ったときこそ、真の最強と言えるのかもしれない
本作品は、レビュー時点でもかなり長く、超長編作品となることが予想される
とにかく読みごたえのある作品をお求めの方は、是非一読してみてほしい
きっと、期待に添う面白さが待っているはずだ
主人公は普通の少年アルフレッド。常識的な考えの持ち主だが、ヒロインで幼馴染の少女リリヴィアが転生勇者でチート級に強く、性格もぶっとんでいた。
2人は冒険者として登録し、初めての依頼をギルドに見に行こう、というところでヒロインのセリフが「有名になるために魔王を倒しに行こう!」である。
当然ながら拒否する主人公アル。しかし、彼はリリに気絶させられたあげく睡眠薬を盛られ、馬車で遠くの町まで運ばれてしまった。
家に帰ることもできなくなったアルの運命はいかに?!
感想:出だしからヒロイン・リリに振り回されるアルが可哀そうで(アルには申し訳ないですが)おもしろい。
しかし、アルも、リリやその周辺の無茶な行動にとばっちりを受けながらも持ち前の力と知恵と根性?で成長していき、やがて英雄になるという、とても心が躍る物語です。