第2話 異世界転移の先達

 ◇


「いったいどうなってんだよ……」


 組合の建物から追い出されて、俺は途方に暮れていた。

 行く宛もないから、ふらふらと適当に街を歩き、石造りの泉を見つけてその縁にへたりこむ。


「ステータス? そんなもん見えねえって。それが異世界から来た人間の証明だって、なんだよそれ……」


 ――そうだ。


 もしかしたら、ステータスが見えるようになるのはなにかきっかけが必要なんじゃ?

 たとえば、構えとか、呪文みたいなキーワードとか。

 そういうのが必要なのかもしれない。


「……ステータス、オープン」


 試みにつぶやいてみるが、街中を歩く人たちの頭上には変化なし。


 ――ええい、ままよ。


「ステータス、オープン!」


 右手を伸ばし、羞恥心をかなぐり捨てて叫んでみても、結果はおなじだった。

 周囲から変なものを見るような眼差しを向けられたのが、空しい収穫とはいえるかもしれない。

 しかし、やっぱり変化はなかった。

 街中を歩く人たちの頭上に、ステータスなんてまったくもって見えやしない。


 ……待てよ、と考える。


 さっきの連中、ステータスが見えるなんて言ってたけれど。

 それって、あくまで異世界から来た人間同士の話なんだろうか。それとも、元々ここの世界で生きている人たちの頭にもそれが見えるってことでいいのか。

 仮に、異世界から来た人間だけがそれを見えて、こっちの世界の人たちはそれが見えないなんて話なら――なんとなく、ちょっと嫌な感じがする。


 ステータスってのは、ようするに個人情報の塊だろう。

 どれくらいの情報がオープンになっているのか俺には見当もつかないけど、それを見ず知らずの相手にも一方的に見られているとしたら、プライバシーなんてあったもんじゃない。


 すくなくとも、俺がその立場ならいい気分はしない。

 もしも性癖とかまで見られていたなら悶絶モノだ。恥死級だ。


 ……え、待って?


 それってもしかして、さっきの連中に俺の性癖がバレてるかもしれないってこと?

 あ、ヤバい。恥で死にそう。  

 いやいやまあまあ、そこまで見られてるとは限らないわけだしね。落ち着け、俺。


 一旦、頭を切り替えようと、俺は大きく息を吐いた。

 件のステータス問題は大きな関心事だが、今はもっと重要なことがある。

 それは、俺が組合に参加できなかったということ。

 つまりそれは、俺がこの世界で後ろ盾を得られなかったということと同義だ。

 縁もなければゆかりもない、知り合い一人いない見知らぬ土地に、なんの後ろ盾もなく放り出されてしまった――その先に訪れるだろう未来を予想すると、背中にぞっとしたものが走った。


 ヤバい。なんとかしないと。


 だけど、どうする?

 誰かそのあたりの人に事情を話して、助けを求めてみるか。

 ありがたいことにこっちの世界の人たちは親切な人が多いみたいだし、一人ぐらい俺のことを助けてくれるかもしれない。


 というか、さっきのお婆さん。

 ユノさんになんとかしてまた会うことはできないだろうか。

 あの人に助けを求めるのが一番いい気がする。

 道案内までしてもらって、さらに迷惑をかけるのは申し訳ない気がするけれど、背に腹は変えられない。

 なにしろ俺は、ここで使われているだろう通貨の一枚だって持ってはいないのだから。

 このままじゃ飢え死にしてしまう。割とマジで命の危機だった。


 問題は、ユノさんに再会する方法が見当もつかないということだ。

 この街がどれくらいの規模なのかわからないが、人間一人を探すのは骨が折れるだろうということくらいは想像がついた。

 どうする、聞き込みでもするか?

 それとも警察に行って聞いてみるか。……警察なんてあるんだろうかね。

 警察に代わるなにかは、なにかしらあるだろうけど――そんなことを考えていると、ふと遠くから誰かが自分を見ていることに気づいた。


 目が合った。

 同い年くらいの女の子が、こちらを見つめている。


 綺麗な女の子だった。

 黒髪を後ろのほうで緩くまとめていて、身軽そうな服装をしている。腰に短剣らしきものを差していた。

 こちらを見る視線は、どこか懐かしいものを見るような感じで――俺はそこで、相手の顔つくりが、自分にとってひどく馴染み深いことに気づいた。


 ――日本人。

 日本人だ、間違いない!


 慌てて立ち上がり、そちらへと駆け出す。

 こちらから声をかけようとする前に、相手が口をひらいた。


「――その服、どこで手に入れたの?」


 女の子が言った。

 強い警戒心を感じさせる声だった。


「え? いや、手に入れたっていうか、自分のなんだけど」

「嘘よ。あなた、こっちの世界の人でしょう。……その服を、どこから手に入れたの?」


 その視線が、ちらりとこちらの頭上あたりを彷徨うのがわかって、いやな気分になる。


「またかよ……。はいはい、わかりましたよ。君にも見えてるんだろ? 【ステータス】とやらがさ」

「…………」

「悪いけど、俺にはそんなもん見えない。でも、この服は俺のものだ。別に誰かからもらったわけじゃない。勝手に決めつけてくれるなよな」

「…………」


 女の子は黙ったまま。

 それをいいことに、俺は今までの欝憤をはらすかのように、


「だいたいなんだよ、ステータスって。ゲームかよ。だったらなんで俺だけ見えないんだよ、それじゃただのバグじゃねえか」


 ぶつぶつと文句を垂れ流していると、女の子はふと怪訝そうに眉をひそめた。


「……あなた、こっちの世界の人じゃないの? 本当に、地球の人?」


 訊ねてくる。


「地球人で、日本人ですけど。それがなにか?」


 どうせ信じてもらえないだろう。

 半ばやけっぱちな気分で、俺は答えた。

 相手はじっとした眼差しでこちらを見据えて、なにかを考えるようにしてから、


「年号」


 はい?


「今の年号って、言える?」


 突然、そんなことを言ってきた。


「いきなり、なに。なんかの暗号?」

「いいから。答えて」


 女の子は険しい表情で迫ってくる。


 ……なんだよ、急に。

 俺は半ばむっとしながら、


「令和でしょ。令和6年。それがどうかした?」

「……その前の年号は?」

「平成」


 ……もしかして、馬鹿にされてる?


「それより前は? 覚えてるだけ、挙げていって」

「なんだよ、もう。昭和、大正、明治……。その前は、――江戸って年号だっけ? 寛政の改革とかって、あれも年号?」


 天保とか、安政とか。よくわからん。


「自宅の郵便番号は?」

「……220-××××だけど」


 そこまでを聞いた女の子が、大きく息を吐いた。


「――ほんとに、日本人なんだ」


 驚いたように目を丸めたので、こっちのほうが驚いてしまった。


「もしかして、信じてくれるの?」

「だって、こっちの世界の人なら、“寛政”なんて単語は出てこないだろうし」


 あ、なるほど。

 日本人だから知ってるだろう知識で、試したってことか。頭いいな、この子。


「じゃあ、君も日本人? ほんとに?」

「ええ、そうよ」


 おお、まさか同郷の人間に会えるとは!


 なんたる偶然。

 まさかの幸運に内心で感涙の涙を流していると、彼女はちらりと俺の頭上を見やって、


「――ドウエ、ナオエっていうのね。ナオエくんって呼んでいい?」


 うわー。

 やっぱり、名前言わなくてもわかるのか。


「いいけど。君の名前も聞いていい?」

「イイバシ、ツカサ。ツカサでいいわ。……やっぱり、見えてないんだ」


 不思議そうに、彼女――ツカサは眉をひそめてみせた。


「いったい、どういうこと? 異世界から転移してきた人で、【ステータス】が見れないなんて、聞いたこともないんだけど」

「そんなの、こっちが聞きたいぜ……」


 俺はがっくりと肩を落とした。

 思案するように、ツカサは少しのあいだ考え込んでから、


「……とりあえず、場所を移しましょう。話を聞かせて。多分、あなたの助けになれると思うから」


 彼女の提案に、俺が断る理由なんてもちろんあるわけもなかった。



 ◇


「なるほどね。ついさっき、こっちにやってきたばっかりなのね……」


 ツカサが連れていってくれたのは、街の食堂らしいお店だった。


 忙しい時間を過ぎているからか、混んでいるわけではない。

 彼女は慣れた様子でお店の人に声をかけると、奥の席に俺を座らせた。


 彼女に促されて、俺はこれまでの経緯を話した。


「ああ。ほんと、ついさっきだよ。それで、ユノさんって人に――」

「……ユノさん? ユノさんって、ご年配の? 頭をおだんごにした、とっても上品な感じの人?」

「あれ、もしかして知り合い? うん、そう。めちゃくちゃ親切な人でさ。わざわざ組合の建物の前まで案内してくれたんだけど」

「ああ、それは間違いなくユノさんだわ。よかったわね、いい人に出会えて」


 言葉のなかに微妙に含むところを感じて、俺は顔をしかめた。


「……やっぱり、こっちの世界の人たちが、全員、親切ってわけじゃないんだ?」


 俺がユノさんに出会えたのはかなりの幸運だったわけだ。

 ツカサは苦笑いを浮かべて、


「まあね。そのあたりの説明もこれからするけど……。それで? 組合に行って、叩き出されて、途方にくれてたってことで大丈夫?」

「そーいうこと。お前なんて俺たちの仲間じゃない、って散々っぱら馬鹿にされたよ」


 思い出したら腹が立ってきた。

 いったいなんなんだ、あいつら。こっちの世界の人たちのほうがよっぽど親切だぞ。


「そうね。まずはそのあたりから話しておかなきゃいけないんだけど……」


 言いづらそうに、ツカサは木製のカップを手に取った。

 中身は冷えた果汁水で、彼女は俺にもそれを奢ってくれていた。一口つけてから、


「まず、最初に言っておくことがあるわ。それは、この世界の人たちが、異世界からの人間を歓迎しているわけじゃないってこと」

「え、そうなの?」


 まったく意外な言葉だった。


「もちろん、全員じゃないけどね。私たちのことを理解してくれる人はいるし、仲良くしてるくれる人もいる。ただ、どうしても仲良くなれないって人もいるの。個々人の性格とかそういうのもあるけど、それ以前の問題として」

「もしかして、それって【ステータス】が関係してるのか?」


 彼女はこくりと頷いた。


「こっちの世界の人たちは、相手の【ステータス】が見えない。自分の頭のうえにそんなものが浮かんでことも知らないの。というか、知ってはいるけど、信じられないのよね。だって見えないんだから。でも、私たちには彼女たちの【ステータス】が見える。自分たちだけ、一方的にね」

「……まあ、あんまりいい気分じゃないよな。普通に考えて」


 どうやら、さっき考えていたようなトラブルが、この世界では実際に起こっているらしい。


 そりゃそうだ、というのが俺の感想である。

 さらにいえば、俺にはステータスが見えないのだから、立場としてはこっちの世界の人側だ。心情だってもちろんそうなる。


「こっちの世界の人たちに異世界からやってきた人間を嫌っているのは、そういうところもあるんだと思う。もちろん、それだけじゃないんだけどね」

「なるほど」

「昔は、異世界からやってきた人は肩身が狭かったそうよ。組合が出来たのはそういう経緯があるわけ。トラブルがあった時、自分一人よりは集団のほうが心強いでしょう?」

「ようするに、労働組合的な?」

「そういうこと」

「なるほどね。だから、組合って言うんだ」

「そう。ギルドなんて呼ばれたりもしてるけど。相互扶助。それから、こっちの世界に来たばかりの人への手助けとかね。仕事の斡旋に、住むところの用意。それが組合の役割なの」

「いい話だなあ」


 俺の台詞が棒読みになってしまったのは、仕方ないだろう。

 いくら組合の素晴らしさを説明されたところで、俺はついさっき、その組合から叩き出されたばかりなのだ。


 ツカサが苦笑した。


「スネないでよ。一応、説明はしておこうってだけだから。組合の建物じゃ、こういう話だって教えてもらえなかったでしょう?」

「そりゃあね」


 実際、説明してもらえるだけでもありがたくはある。

 俺はうーんと腕を組んで、


「……やっぱり、組合に入れないってのはかなりキツイなあ」

「そうね。日本とこっちじゃ、文化も風習も違うから。いろんなことに慣れなきゃいけないのに、組合の支援が受けられないっていうのは、けっこう大変だと思う」


 そうだよなあ。

 これからの前途を思って暗澹たる思いでいる俺に向かって、でも、とツカサは続けた。


「私は、よかったんじゃないかと思う」

「どういうこと?」

「……組合は、確かにすごく便利だけど。でも、私はあんまり好きじゃない」


 好きじゃない?


「ツカサさん、組合に入ってるんじゃないの?」

「入ってるわ。こっちの世界に来たとき、色々とお世話になったのも間違いない。そのことについて感謝はしてるけど、でも私はあそこが好きじゃない。正確には、あそこにいる人たちのことが嫌いなんだけど」


 ……まあ、あんまり素敵な人間性をしている連中ではなかったけれど。

 さんざん馬鹿にしてくれた連中の顔を思い出していると、目の前のツカサもなにかを思い出していそうな表情になっていた。


「なにか嫌なことされたりしたの? 嫌がらせとかさ」


 こんなに可愛いんだから、セクハラとかされたのかもしれない。

 あの禿げたおっさんとか、いかにもやりそうだし。完全に勝手な偏見だけど。


「嫌なことっていうか……さっき、言ったでしょ? こっちの世界の人たちは、私たちのことを嫌ってる人もいるけど、そうじゃない人もいるって」

「うん」

「でも、異世界からやってきた人たちはそうじゃない。あの人たちって、こっちの世界の人たちのことを下に見てるから」

「……それって、やっぱり【ステータス】があるから?」

「そう」


 彼女は苦々しく頷いて、


「それだけじゃないけどね。異世界からきた人とこっちの世界の人たちじゃ、基本的に【LV】差が大きいし、【スキル】だってそう。【職業選択】のことだってあるし、【経験効率】だって全然違うわ。それから――」

「いや。ちょっと待って、待って」


 俺はあわてて相手の言葉を遮った。


 LV、それにスキルだって?

 いきなりたくさんのゲーム用語をぶつけられても、頭がついていかない。


「あ、ごめん。そのあたりは、またあとで説明するね。――とにかく、異世界からやってきた人たちはこっちの世界の人たちのことを馬鹿にしてることが多いの。差別してるって言い換えてもいい。だから、私は嫌い」


 はっきりと感情をこめて、ツカサさんは言い切った。

 俺はそんな彼女の表情をみながら、


「ツカサさんみたいな人は、他にいないの?」

「私?」

「ツカサさんはこっちの人たちのことを差別してないんだろ? 異世界からやってきた人で、そういう人って他にはいないわけ?」


 ツカサは少し考えてから、頭を振った。

 寂しそうに笑いながら、


「いないわけじゃないわ。……そうね。異世界からやってきた人が、全員さっきみたいな人っていうのは言い過ぎたかも。でも、そういう人は本当にごく稀。そして、そういう人は組合から距離を置いてるのがほとんどよ」

「ツカサさんみたいに?」

「ええ。組合には入ってるし、組合費も払ってる。けど、それ以上は関わり合いになりたくないってのが正直なところ」

「なるほどー」


 それに、とツカサはこちらを窺うようにしながら、


「ナオヤくんは【ステータス】が見えないんでしょう? 仮に、これから先、あなたが異世界から来た人間だって認められたとしても、あの人たちはナオヤくんを歓迎しないと思う。彼らにとっては、【ステータス】を確認することと、異世界から来た人間であるってことはほとんど同じはずだから」

「確かに、さっきもそんな感じのことを言われたよ」

「うん。だから、仮にナオヤくんが組合に入ったとしても……」


 彼女はその先を濁したが、なにを言いたいかはわかった。

 組合の人間にとって、俺はあくまで「差別する側」の人間ということだろう。


 ツカサの言っていることは、恐らく正しい。

 組合は俺にとって味方になりえない。甘えた考えは持たず、そう考えたほうがよさそうだ。

 だが、そうなると……。


「……ますます、これからどうすればいいんだか」


 思わず頭を抱えてしまう。

 頭のうえに、くすりとツカサが笑う気配が降ってきた。


「それでね。私からナオヤくんに、提案があるんだけど」

「提案?」

「うん。組合の代わりに、ナオヤくんの後ろ盾になってくれる人を紹介してあげようか?」


 ……マジ?


「え、ほんとに? そんな人がいるの?」

「言ったでしょ? 私、組合から離れて独り立ちしてるの。私がお世話になってる人たちのことを紹介してあげるから、そこでこっちの世界のこととか学んでいけばいいんじゃない?」


 もちろん、と彼女は笑った。


「ただでご飯を食べられるってわけにはいかないけどね」


 それはもちろん、理解している。

 働かざる者、食うべからず。

 こんな状況なのだから、あちらの世界にいた時のようにのほほんと学生をやっていられるとは思っていなかった。

 ツカサさんはにこりと微笑んで、


「よかった。それじゃあ、さっそく知り合いに紹介する――前に、やることがあるか」


 こちらを上から下まで見下ろして、


「まずは買い物に行きましょ。そんな恰好じゃ、街で浮いちゃうわ」


 この格好、やっぱり浮いてたのか……。


「でも俺、こっちのお金なんて持ってないんだけど」

「貸してあげるわよ」

「マジで?」

「トイチでいい?」

「……謹んでお断りします」


 彼女はあははと笑った。


「冗談よ。こっちの世界にやってきたお祝いってことで、金利はなしにしといてあげる」


 なにこの子。女神サマかなにか?


「ツカサさん……」

「なに?」

「惚れてもいい? ってか、好きです。付き合ってください」

「謹んでお断りします!」


 最速でフラれたんだが?


「ふふ。――はいっ」


 ツカサは人好きのする表情で、こちらに手を伸ばしてきた。

 握手ってことかな?

 手を差し出すと、彼女は柔らかくそれを摑んで、


「歳が近い日本人だなんて、久しぶり。嬉しいなぁ。これからよろしくね、ナオヤくん」


 その表情の眩しさに思わず目をそらしてしまう。

 いかん。さっきのは冗談のつもりだったのに、本当に好きになってしまいそうだ。

 顔が赤くなるのを誤魔化そうと、俺は適当に口をひらいた。


「あー。そういえばさ、俺ってツカサさんとおなじ仕事をすることになったりするのかな」

「ん? 多分、そういうことになるんじゃないかなぁ」

「ツカサさん、なにをやってるの? やっぱり、冒険者とか?」


 彼女はうーん、と首をかしげながら、


「惜しい! けど、ちょっと違うかなあ」

「俺にも出来る仕事?」

「大丈夫、大丈夫。資格なんていらないし。必要なのはやる気と根性だけだから」


 途端にブラックな気配がしてきたんだが、本当に大丈夫か?

 不安をおぼえる俺に、ツカサさんはいたずらっぽく片目を閉じて、告げた。


「私の仕事はね、いわゆる『』ってところかな」


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