第7話 お土産?2

「梓ーーー!?何ーーやっちゃってるーのーー!?さ!?」


 アスラの叫びに驚き、少し飛び跳ねた梓は……、アスラとレンにニッコリと笑顔を向けて……、


「ん?ちょっーと、お呪いをね?大丈夫だよ〜!私は、呪詛のスキル持ってないから〜、出来ることは大した事無いんだよね〜……。

 だから……問題児共とその世界の神様達に!!ちょーっと匂いが凄い事になる様に~って、後ね?縁の有るモノと加護を貰ってる者も同じにな~れ!!ってのもやったよ~!」


 と、いいえ笑顔で言われ、グッと親指を立てて来る。


 それを見たレンは晴れやかな笑顔で「アイツらなら良い。良くやった!」と頷いて居る。アスラは、少し引いているがそれでも、グッと親指を梓に向けて立てた。


 梓は二人の反応を見てから話を続ける。


「それから……、匂いってさ……?ほら…慣れるでしょ?……それじゃあ~、意味無くなるから……。慣れないし、対策も出来ない、解呪もダメ、呪詛返しもダメていうのも付けてみました!!お呪いを解くには、心を入れかえって迷惑を掛けて来た人達に謝って、関わらずに償って行く事。て、設定したから。それ以外で、如何にかしようとしたら……、その人も同じになる。そんな、可愛らしいお呪いだよ!!」


 今度の言葉は二人に聞かせる、と言うより…、梓達三人を見ている者達に言ったようだ。


「まぁ、今度また、追加で呪いをプレゼントしてやれ……」

「うっわ~……。そんな、プレゼント嬉しく無いだろ……。ここは、皆が避けたい…アイツのやっちゃったアレを大量に送るのが良いと思うけど?」


 何気に二人共ノリノリで、梓の呪いに何かを追加しようと言ってくる。


「ん~~……。そうしたいのは…山々なんだけどね……?何~か…日本の神様達にストップ掛けられちゃった……。ほら?」


 心底残念そうな顔をした梓が、二人にひらりと紙を見せた。



『 追加は今暫し、待て。 

  

  此方でも色々、取り立てる。


  君達は、取り敢えず異世界を楽しんで来ると良い。


      異世界でも、見守っているよ


                   日本の神一同より』



「「………………」」


 固まるレンとアスラ。


 残念そうだったのに今は、耳まで赤くして照れている梓が指をもじもじして、辺りを忙しなくキョロキョロ見回していた。


 梓がわざとらしく咳をして、無理矢理話を変える。


「と、取り敢えず……。アスラ………?お土産の続き…有る?」

「………ああ。そうだね~、うん。まだ、一つ目だったし…。

 え~と……。二つ目は、梓が異世界に連れて行ける、従魔の数が増えたよ!」


 アスラも明るめに、梓達に話す。


「そうか。俺入れてか?」

「勿論!あ、ちなみに!こちで勝手に決めたから~!梓……ゴメンね?」


 アスラが全く悪いとは思ってないのか、とても良い笑顔で謝って来る。


「…まあ…、良いけど。それで…?何人で、誰が来るの?」

「あ~。増えるって言っても、俺とレン。それと後三人だけどね~。神様相手に結~構ごねて、ごねまっくてもダメだった~。

 で、来るのは…。ヤマト、アカギ、それから……リリア…だよ」


 深い溜息を吐きながら、とても落ち込んだアスラ。



 え?神様相手にごねた……?そう言えば……、神様相手に暴れてもいたっけ?

 ……うちの子、怖いもの知らず?全く!誰に似たんだか!!もし神罰を落とされたら、どうするつもりなの!?危ない事はしない様に言わないと!


 あ!後でお詫びに何か送らないと……?う~ん……?今、送れるの無いや……。

 ま~、それは皆に何が良いか聞いてからで、良いかな~。


 わ~!アスラが落ち込む気持ち、よーーーく分かる。何で?よりにもよって何で?その三人?いや、三人が嫌いな訳じゃないよ?

 でもね……、ヤマトはまだ良い方なんだけど……さ。


 ああ、三人の事は……、会ってから考えよう。私やうちの子達には、ほぼ無害?だし……きっと。



 よろよろと、落ち込んでいたアスラが顔を上げて、話を続ける。


「最後に、神様達が新しいスキルを創ってくれてさ~。それが……、タブレットとPCだって~~。」

「「うん?何だって?」」


 言われた事が良く分からなくて、頭の上に?を沢山出ている梓とレン。

 うん、うん。やっぱりそうゆう反応だよな~、分かる!分かる!と深ーく頷いてるアスラが居た。


「分かる。梓達の気持ち……。俺も聞いた時、え?何言いだしたのこの神達?って、思わず言っちゃったし~!」

「ハァー?!言っちゃったの?!神様達に?!怒られるでしょ!いくら何でも?!」

「大丈夫、大丈夫~!そんな事言ったら、暴れてる時に神罰が落ちてるって~!」


 梓は焦ったが、アスラは気にしない気にしないと軽く言ってくる。しかも、ハハハ!と楽しそうに笑いながら。


「それで?アスラ、そのスキルはどんな事が出来るんだ?」

「あ~……。何か……、アイテムボックスの中身が見れたり、整理整頓が出来るらしい?後、ゲームとかに有った箱庭系のヤツ!あんな感じで、行き来が自由に出来て、従魔は其処で生活出来るらしい?それに、ゲームのままだから、レベルも上げないと……。って言ってた~!」



 え~、っと?アイテムボックスに何が入ってるか……見れるのは嬉しいよ?でも、何?ゲームの箱庭系?しかも、レベル上げって……。初期はあんまり出来る事無いよね?って、事は……。そこそこレベル上げないと…、皆に窮屈な思いをさせちゃう……と?

 は?させないよ?出来るだけ早くレベル上げよ!


 それにしても……、これタブレットとかPC関係ある?それもスキル化?何で?

 まぁ、今は考えない様にしよう……。余計に疲れて来るから。



 それまで、黙ったまま聞いていたレンが疲れてる梓に、


「梓……、まだ疲れるには早い」

「?」


 梓がえ?何で?と目で問いかける。


「ハァーー。レベルの上げ方を聞いてない」

「ーーーあッ!?そうだった!?」


 そう言えばと梓はアスラの方を見た。


「うん。まだ、続き有るからね?

 え~っと…。このタブレットとPCスキルは連動してるらしい……。

 で、箱庭系のレベル上げの仕方は……、異世界に行ってからで。魔石を使うらしいよ?」



 え?ここではレベルを上げられないの?じゃあ、その箱庭は初期のまま……?

 嫌だな~。もう、ここ早く出て…異世界に行こう……。


 それにしても……、そのスキル何が出来るの?そもそも、そのスキルいる?

 神様達は……、何考えてるんだろう?流石に、アスラが今言っただけじゃないとは…思うんだけど……。


 アスラの様子だと…、説明は終わりかな?

 なら、今から召喚しても良いかな…、ずーーと名前を出さずにアノ子とか言ってた……、アノ子を待たせすぎて、余計に暴走してたら…ど、どうしよう…。



「……アスラ。説明は終わったの?」


 梓が緊張した様子でアスラに聞いた。レンもその顔は緊張していた。


 そんな二人の様子に、アスラは悟りを開いたような表情で。


「うん。俺が聞いてるのはここまでだよ。………後は、アイツ等を呼んで、此処の敵を全滅してから、さっきも言ったけど異世界へ。だってさ~!」


 最後はやけくそ気味に明るく言うアスラ。


「お疲れ様。アスラ……」


 梓やレンがアスラを労わる様に肩や背中をポンポンと叩く。



 さて、と……。アスラの説明も終わって、体力も大分…回復…したかな?

 でも、精神的にはまだキツイけど……。


 此処……、食べる物が無いんだよね……。


 まぁ、食べ物、料理()?は三人を召喚したら……、心配はしなくても……良いんだけど。それが、食べれれば……だけど。


 ハァーー、取り敢えず……召喚しよ……。

 お腹がさっきから…、クゥクゥなってるから……。


 あ!レンもアスラも!そんな、呆れた様な目で見ないでよ!?仕方ないでしょ!?



 梓の様子に、レンは首を横に振り溜息を吐き。アスラも呆れたみたいに苦笑いしていた。

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