第9話 復活出来るかな?
アカギは何でそんなに、ヤマトに厳しい…辛く…、止めを刺したいの?
ヤマトに何されたら、そんな酷い事が出来るのかな?
見てよ……リリアを…、自分の料理がどんなに威力が有るかをちゃんと知ってるから…、顔色がもう真っ青だよ?
レンとアスラもさっきリリアの料理を軽く食らったのに、顔色は悪いままだけど…直ぐに立てるようになったからって……。ヤマトの代わりに料理を食べる覚悟を決めた様な顔をしてるよ……。
えっ!?コレ……。どうやって治め…るの…?
取り敢えず……、ココはヤマトに起きてもらおうかな……。
ちょっと、イヤかなり…無理してもらう様だけど。ヤマト……、ゴメン!?
「ーーーヤマト。ゴメン…。起きれないかも、だけど……。ちょっと、起きて?」
梓が、物凄ーーーく申し訳なさそうな感じでヤマトに声を掛けて、起きれなくても何か反応を返してくれる事を少しだけ期待して見守る。
「……。ゔ…ぐ……」
ピクピク以外に初めて反応したヤマトに、皆が喜びながら声を掛けてる中、“ッち”と舌打ちしたアカギが……スッと、リリアの料理をヤマト目掛けて投げた。
「「「「ッえ!?」」」」
まさかのアカギの行動に梓達は驚き声を上げるだけで、防いだりアカギの行動を邪魔したりという、そう言う何か…行動を反応をする事が出来なかった……。
ただ、見て居るだけの梓達の顔は次第に絶望的な表情が浮かぶ。
一拍置いて、皆がヤマトに駆け寄り、ヤマトに声を呼び掛ける。
「だ、大丈夫!?ヤマト!?」
「しっ、確りしろ!?」
梓がアカギの方に顔を向け困惑しながら聞く。
「アカギ何で!?」
ぶっすとしたアカギがヤマトを見ながら、ちょっと顔を逸らしながら、
「……ちょっとだけ、やり過ぎたかも…だけど……。ワタシは悪くないよ!
ワタシを置いてこうとした、ヤマトが悪い!!」
そんなアカギの話を聞いて、皆が「ああー……」と残念なモノを見るように倒れてるヤマトを見た。
あッ、うん。それは、ヤマトが悪いは……。だって、アカギって何時もヤマトにくっついてたからね……。アカギの定位置はヤマトの肩て位に、皆がそう思ってると思う。私も思ってたし。
それがヤマト……置いてこうとしたの?アカギに甘いヤマトが?明日は嵐かな?
「まぁ、アカギはヤマトの事大好き、だもんねー?」
梓はアカギが何でこんな事をしたか、何となく分かりアカギに言う。
「ん!当然!!」
自信満々にキリッとした顔で言い切るアカギは、胸を張って梓に言った。
「で、……本当にヤマトは何でアカギを置いて来ようとしちゃったの?」
倒れてるヤマトをツンツンと突きながら梓が聞いてみると、何とか目を梓に向けて震える声を途切れ途切れ話しは出す。
「……か、神…達……が、これ…か…ら、行く……異世界…は、アカギの……様、な…珍…し…い、から…」
そこまで話してヤマトが力尽きた。
「あ~、うん。ヤマトは相変わらず…過保護なんだね」
「まあ…考えたら、ヤマトがリリアの料理で倒れるのは珍しくないからな…」
「つまり~、いつも通り~つう訳で!」
「む~……。私の料理が使われるのは…納得出来ないけど…、まあ…いつも通りだねぇ」
また気を失ったヤマトに梓達四人は呆れ。アカギだけが、照れて頬を赤くし髪をヤマトに巻き付け持ち上げる。
「相変わらずアカギは力持ちだねぇ~。もしかして~、ヤマトそのままにするの?」
アスラが面白そうに、ヤマトを見ながらアカギに聞く。
「?ヒールがと……」
アカギが言いかけて、何かを思い出したのか言葉を切る。
「ん?どうしたの?アカギ?
私もレンも結構休んだから、そろそろ敵を倒すの再開できるよ?」
「梓……、ヒール取った?」
「へ?うん。怪我して無いけど一応。でも、先に言っておくけど…無理、だからね?ヤマトを治すのは」
アカギはビックとしてオロオロしだす。そんな、アカギの様子に話していたアスラと梓の他の皆も「え?まさか…?」と顔を見合わせる。
アカギとヤマト以外が頷き合い、代表で梓がアカギに問いかけた。
「ーーーアカギ?まさか…だけど……。ヒールが得意な子は居ないし、ポーションが有るからヤマトに、その…料理をやったんだよね?」
梓の問いかけに力なく首を横に振るアカギに、皆が「わー……」と顔を歪めた。
「え?どうすんの?!」
「まあまあ…落ち着いて、アスラ?アカギも大丈夫だから……多分……」
あ〜……、確かに今居るメンバーで回復が得意な子いないな………。
ど〜〜すんのコレ……、リリアの料理は普通の回復魔法ヒールとキュアに浄化を同時に掛けないと、二三日はこのままだよ……。
「取り敢えず、気休めだが……。俺がキュアを取る。アスラは浄化を取ってくれ。その後、梓のヒールと俺とアスラが同時にキュアと浄化を使えば、何とか」
「……うん。それしか無いね。アカギもリリアも回復とか治癒系相性が悪いから」
「ハハ!確かに!!爆発するくらいだもんね〜」
梓の言葉にアスラはその時の事を思い出して、思わず笑ってしまう。そんな、アスラに滲み?寄るモノが……。
ソレに気付いたレン顔をしかめて、一応アスラに忠告した。
「アスラ……。そろそろ止めとけ…、ん……」
レンがアスラを止めながら、指で何かを指す。
「?ッ!?」
指が指す方を向き速攻で顔を背けるアスラ。
アスラに笑われたアカギとリリアが、両手に謎の物体を持って居た。
「あ~あ…。アカギとリリア気持ちは分かるけど、今アスラが倒れたら……ね?」
後少し、という所で梓が二人を止めた。
「「…………………………ッち…」」
舌打ちをした後二人は、持っていた謎の物体をしまうが、その顔は怒りに満ちていた。
お願いだから本当にやめてね。アスラまでソレで倒れたら終わりだよ?
敵が何時まで…、何時まで?………あ、れ?
「アスラ?アカギ?リリア?ちょーっと、この敵達は何時までこのまま…、なの?」
アスラが来た時から、敵が止まったままだったのが気になり始めた梓。
皆がハッとして、アカギがヤマトを放り出して敵の方に歩き出し、リリアもアカギに遅れて着いて行く。
「梓、レン。さッ!急いで~!ヤマトを起こそう!?」
「?急だね?さっきまでのまったりは……?」
アスラに急がせられ取り敢えずヒールを使う梓に、続いてキュアを使うレン。それから、浄化を使い始めるアスラ。
三人は暫くヤマトに魔法を掛け続け様子を見る。
………ピック
「「あ!?」」
「成功か?ヤマト起きれるか?」
レンの呼びかけにヤマトは、ノロノロと起き上がり梓に軽く挨拶をしたら、アカギの方に歩いて行った。
「わ~、相変わらずだね。ヤマトは」
「アカギにまた、ヤられないと良いけどね~」
「流石に、それは平気だろ……多分」
魔法を掛け続けて居た三人は、疲れて座り込んでヤマトが行った方を見ながら話す。
久しぶりに、こんなに魔法を使い続けた……よ。まあ…当たり前だけどおーさ…!?
疲れた。折角、休んで動けるようになったのに……、また動けないよ。
後でポイントを魔力と体力に多めに使っておこ……。
それにしても……、ヤマトはさっきまで死にかけみたいな感じだたのに…。何で、あんなに元気なのさ?アカギとリリアと一緒に、どんどん止まったままの敵倒して行ってる。あ!?もう、見えてる範囲の敵全部倒しちゃった!?早!!
「いや~~!あの三人、色々溜まってたのかな~。ハハハ…」
これだから戦闘狂は…、とか小声で呟くアスラだが。梓とレンはお前が言うなみたいな目で見ていた。
「ちょっと休憩してから、他の所の敵倒しに行こ?」
梓の言葉に疲れてるレンとアスラが頷き。スッキリした顔をしたヤマト達が、梓達の下に笑いながら帰って来た。
やらかし異世界に異世界召喚されました。 月宮 卯月 @usa2siro6
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