第10話 再開

 暫く皆でまったりと休んで、アスラ達が取り敢えずスキルや魔法を取り終えるのを待った。んだけど……、リリアが悪あがきで料理スキルを取った……。取っちゃったんだよ!!前世だって取ってもダメだったのに……!!気持ちは分かるんだけど…ね?


 リリアの悪あがきで、皆パニックを起こしちゃって全員が料理・裁縫・錬金術・空間魔法・マナハンドで、アイテムボックスを取ったらポイント……無くなっちゃった!


 いや~、本当……皆変なテンションだったんだ……よ。


 見てよ……レンとかの落ち込み方……。ポイント使い切ってるって、分かったら…ショックの余り…リリアの料理を食べようとしたんだ……。止めて欲しい、切実にお願いだから、止めて?レンが居ないと余計酷くなるよ?


 レンに、これ以上酷くなった時を想像してもらったら……、気を失って倒れちゃった~……。テヘッ


 うん。ゴメン…。でも、皆も少しは自覚あるでしょ?え?そこまで酷くない?本当に?

 皆して、私から目を逸らしてるのに……?


 と!言う訳で……レンがもう少し落ち着くまで、ちょーっと待ってね?



 ◇◇◇◇◇


「悪い……、もう大丈夫だ」

「レン、気にしないで。悪化?させたのは私だし」


 梓とレンはお互いに励まし合う二人。


 アスラがお気楽な感じで、


「まあ~、そんなに気にしなくても~。ただ…大変な事になるだけなのに~」


 そう言ってアスラは、後ろに居る他の皆に問いかけるが……、やれやれと溜息を吐き大変な事がダメなんだよ!?とツッコミを入れられて居た。


「え~?ーーーでも、梓とレンは気にしすぎだろ?」


 その言葉には、皆が頷く。


 空気を変える為に、わざとらしく咳をして梓は話を始める。


「じゃ!気を取り直して!

 皆、さっさと此処を出て異世界に行こうか」

「は~い!ただ、やるのは詰まらないからさ~、あっ!?競争しない~?」


 アスラが普通にやるのも詰まらないからと競争を勝負をしないか?と持ち掛けて来た。が、他の皆が嫌そうな顔をして「絶っ対にイヤ!?」と叫んだ。


「アスラ……。よく外を見てみろ…。二手に分かれるならまだ分かるが……、そんな事している場合か?」


 レンが梓と二人で倒していた時の事を思い出して、溜息を吐きながらアスラに部屋の外を見るように促した。

 アスラ達は促されるままに、ヒョイッと何も考えずに外を覗くと…。


「あ~…れ~……?何……コレ?」


 アスラが何とか言葉にするけど、他の皆は絶句してフリーズしていた。


 梓はアスラ達の様子に「うん、うん。そうなるよねー……。私達もこうなると……ね?嫌気がして、やる気がゴッソリ無くなるって言うか……ね~」と、レンの言葉に同意し梓のテンションが駄々下がる。


「此処を放置して、異世界に行っちゃダメかな……。何か聞いてないのアスラ達……」


 梓の問いに、力なく横に首を振りながら「……さっき説明した通り、敵の行動が止まるのとリポップが無くなる。しか……」



 イヤ~……確かに、そんな事聞いたね……。でも、ゴメン。コレは止まるのが遅すぎ……だと、思うんだけど…。私の気のせい?

 あ?気のせいじゃない?一緒に倒してたからコレのあれが分かってるレンの顔色も、部屋の外を見て惨状?を知ったアスラ達の顔色も悪くなってるね。


「で?アスラ?この状態で競争?勝負?が出来るか……?と言うか、俺達の事を見ていたなら、この敵が天井までのすし詰め状態を知っているだろ?」


 レンの呆れた顔をしてアスラの事を見ていた。


 アスラの方は、「イヤイヤ!?ここまでとは知らなかったよーー!?」等と叫んでいる。そしてヤマト達も、激しく首を縦に振って頷いて居る。


 リリアがオズオズと申し訳なさそうに、梓やレンに言ってくる。


「その~、言いにくいんだけど…ね。梓達の事はちゃんと見てたんだよ?でも、あっちに居た皆…パニックを起こして暴れてたから、……状況は、その……ね?」

「えっ?つまり……?」

「えーっと、皆は神様達と遊んでたし……。それに、私は憑いてたあの人達を如何にかして貰ってたから。」

「リリア!?開き直った!?」


 リリアはニコニコ笑顔で梓を見ているし、他の皆も笑顔で見て来た。レンは頭痛が痛いみたいな顔をしている。


「コホン……、俺が悪かったから普通に倒して行こう?」

「うん。普通にね!さっさと此処を出よ!」


 アスラが空気に耐え切れず謝り、梓が頷いて何事も無かった様に敵を倒して此処から出ようと話、さあさあー!行こう!?と促しレンの背中を押す。


「そうだえ~!……次は何のスキル取ろうかな~!」

「うん、うん。そうだね!」


 アカギとリリアがワイワイ楽しそうに話しながら、敵を倒しながら進んで行く。

 ヤマトがアカギ達の後ろを着いて行ってる……。


 ここからは暫く、動かない敵をポコポコ倒して行く作業をする。



 ◇◇◇◇◇


 と、言う訳で……、皆で敵を倒し終わたよ……。

 今はマップの中で一番大きな部屋に居るよ!

 イヤ~……。ここまで来るのに…色々あったよ。思い出したくないけど、愚痴を聞いて欲しい……。


 先ず、最初に動かない大量の敵を倒すのに飽きたのは…アカギだった。

 アカギはリリアの料理を敵に……投げ始めたの……。アカギ曰く、私が転生してからずーーと居たらしい…、私の生活とかはあまり見れなかったとか。で、リリアがその時に作ってた料理が大量に有ったとか……。そして、飽きた時にふっと思ったんだって、リリアの料理を敵にぶつけたら…どうなるんだろう?って、さ……。


 私………その時近くに居てね…、アカギに背中を向けてたんだよね……。チマチマ敵を倒してたら、行き成り後からソレが飛んできた…あの恐怖……。思わずフリーズして固まっちゃた敵が動かなくて良かった……。もし、動く普通の魔物のとかだったら怪我してたし……もしかしたら。ハァ…異世界行く前で本当に良かった!!



 それを見た他の皆は一瞬驚いて固まる。

 それからアカギを叱ったり、自分達も遊ぼうかな?と考え始めた者に別れた。


「取り敢えず……、梓?平気か?」

「梓…当たってない?生きてる?」


 レンとリリアが梓の状態を確認しながら聞くが、梓はそれに力なく首を縦に振る。



 ◇◇◇◇◇


 暫くして梓が落ち着いて見た光景は……。

 アカギがまだ物体Xの料理を投げてた、そらにヤマトが加わっていた……。後、アスラとリリアは……一回に何体を倒せるかを競っていた……。



 え~っと?これは……ど~ゆ~事?イヤ、本当に……。

 アカギだけじゃなくってヤマトも物体Xな料理を投げてるし…、ナノ料理どんだけ有るの?結構投げてるみたいなのに……。


「ありがとうレン。所で……アカギが投げてる料理は、何であんなにあるの?」

「ああ……、転生してからリリアが作った。分かるだろう?」



 レン曰く、リリアが料理作ってそれを憑いていたアレらにぶつけていたらしい……。アレらは精神体の存在…そんなのに料理が当たるの?って聞いたら、ちゃんと当たったんだって……さ。料理がアレらに当たったのを神様達も見て爆笑したり、苛立ちをぶつける為に料理を一緒に当てていたらしい。ただ、神様達も料理を食べてみようとはしなかってんだって……。



「まあ…、そんな感じで……他の皆もアレらに効くモノを作ろうと神達とワイワイやってた……な」


 説明してくれたレンは、その時の事を思い出して遠い目をした。梓も、その時の事を簡単に想像できてしまい、スンッと真顔になった。



「ーーーで、どうしようか?この惨状……」


 梓達が少し現実逃避をしていたら、四人の行動が悪化?していて…、二人も真面目に敵を倒さず遊ぶのが正解では?と思い始めた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

やらかし異世界に異世界召喚されました。 月宮 卯月 @usa2siro6

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ