必要なことはすべてそこに書いてある
キヤ
1 ジャンルのはなし
「作品の主軸が何か」でジャンルを決めたい、ということに気づいた話です。
この間、『蒲生邸事件』(宮部みゆき/著)を再読しました。再読の理由は省きますが、一つ驚いたことがあります。
この小説がSFでもあったことです。
これまでミステリーだと思っていました。なにせタイトルが『蒲生邸事件』ですから。
簡単に紹介すると「主人公がタイムスリップして蒲生邸で起きる事件に巻き込まれる話」です。重要な要素をいくつも省いたので、多方面から反感を買う説明だと思います。ごめんなさい。ちゃんとした概要は皆さん調べてください。
再読して考えてみました。
もしカクヨムみたいにジャンルを一つだけしか選べなかったら、『蒲生邸事件』をなんのジャンルに入れるか。
難しいですね。
調べてみたら「時代ミステリー」もしくは「SF時代ミステリー」と書かれていました。
「SF」「時代」「ミステリー」どの側面で見ても素晴らしい作品だけに、本当に迷います。
迷ったので、視点を変えてみることにします。
ジャンルを決めるために重要視する点は何だろうか?
そう考えると「作品の主軸が何か」でジャンルを決めたい、と気づきました。
もしカクヨムみたいにジャンルを一つだけしか選べなかったら、私は『蒲生邸事件』をSFのジャンルに入れます。
理由は次回で。
と、話を終えたいところなのですが、実は困っていたのです。「自分の作品のジャンルは何か」に。
執筆の段階でいえば第一稿が完成しました。
個人的には長年の問題が解決できそうな快挙なのですが、それは別の話。今はジャンルの話です。
簡単に作品を説明すると「魔法使いが勇者をおもてなしするコメディ」です。
全然、読む気がわかないって? 構いません。
これが主軸がブレブレの駄作ならば問題はない。書き直せばいいだけです。ですが主軸はあります。コメディです。
単純に魔法使いと勇者が出てくるから「異世界ファンタジー」だと思っていたんですよ。でもそれは異世界が舞台というだけです。ミステリーやホラー、SFジャンルの中に異世界が舞台のものがあることを考えると果たして正しいのでしょうか? そもそも異世界ファンタジーというジャンルの定義はなんなのでしょう? なにせラブコメのラブが男女の恋愛限定ということすら初めて知ったカクヨム初心者。初心者という肩書がいずれユーザーに変わっても同じようなことはやらかすでしょう。
結局「コメディ」ってなんのジャンル? そもそもジャンルではない? その他という項目もありますね。同居人が気になりますが。ソートしたときに命の大切さを教えるような内容の童話の後に「しょっぱなから魔法使いが勇者を燃やそうとしている話(次作)」が並ぶことになったらどういう表情で眺めればよいのでしょう?
想像しただけで恐ろしいです。できるならば、その他を独立してカオスな世界を眺めたいです。一度SFジャンルを覗いて天を仰いだことは忘れました。
脱線しました。
必要なことはすべてそこに書いてある。
これはエッセイのタイトルでもあり、信条でもあります。
書いてありました、ヘルプに。
舞台が異世界なら「異世界ファンタジー」でよいみたいです。わざわざ名作の話まで持ち出して何だったのでしょう?
そういえば「エッセイ・ノンフィクション」のジャンルの説明に「自由な形式で、気軽に自分の意見などを述べた散文」とありました。そうか、気軽でいいんだ!
変な二部構成のエッセイでもいいんだ!
というわけで気軽にエッセイを書いてみました。近況ノートでじゅうぶんな気もしますが、ロイヤルティプログラムについて読んで「うっかりこの文章を読んだ人がいたらカクヨムが広告収入を得られるのか!」と気づいたので作品にしました。(自分が参加するかは検討中です。「好きな作家やジャンルの本の購入資金にあてたり……」甘美な文言ですね)
ジャンルは決まりました。果たして小説は完成するのでしょうか? それよりも、なぜ私は『蒲生邸事件』をSFのジャンルに入れようと思っているのでしょうか?
今度こそ、次回に続きます。
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