121-140

瀬戸際に惜別の歌を残すのはせめてあなたを呪いたいから


源になってくれていた曲の歌詞が歪んでなにも聴こえぬ


注釈で守る程度の作品が 心に届くと驕るなよ


尊厳の枯渇と怠慢 気づかずに 己の刺でマスターベーション


曖昧な疲弊の日常 片隅に願い星への言葉が連なる



窓のした 野焼きの吹き込む排煙口 あなたのことだけ憶えていたくて


その歌で泣かなくなった僕のこと「薄情だね」っていって脅して


安寧が安寧としてあるうちは 僕はいまだけ無知でいられる


春風も初夏の風すら通りすぎ 降り注ぐのは甘い梅雨だけ


夕暮れに海が荒んだその理由 あの満月を独占したくて



気の毒に 喉を切られた 閑古鳥 なにを思って生きているのか


僕はただ救われたかっただけだった 白波がたつ 僕をさらって


どうせなら満月の夜に呼んでくれ 宵に紛れて閉じ込めてほしい


儚げで綺麗なうたが詠める日は 世界がみえなくなっているとき


感情は波に揉まれるものだから 地に足なんかついてるはずない



真っ当に生きられるだけの人権を 安いもんだよこれくらい


デザインや味がかわったことなんか 知らずに生きてるほうが幸せ


もしいつかスタートラインにたてたなら "いま"を一緒にみにいきませんか


人類の叡智を一粒のむたびに ぼくも少しは賢くなるかな


僕と君 おなじ未来は歩まない 互いにあるべき姿で在ろうね

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短歌の海 伊月 杏 @izuki916

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