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どれだけの時が経とうと 罪は晴れない 君は未だに救われてない


かりそめの姉でもいいから生きてたい 悪魔の靴音 抱きとめながら


復讐の炎に焦がした煤けらは 聖母がくれた心の容れ物


鈍麻した心を刻んで死んでいく 輪廻の先では笑っていてくれ


弔いにふたりで壊した宝物 被害者の僕と加害者の君



過ぎ去りし 天罰を喰う こどもの僕ら 今宵肩寄せ体温別つ


罪と罰 わけあう双子の最期には サイレンは遠く届かない


最期まで 僕を想って泣いていた 百合が一輪 潮風およ


白波に揺られてみていた満天に すべて埋もれてわからなかったよ


新月の玄に呑まれる夢をみる 夏が来るたび記憶が焦げつく



彼はいう「ここが永久なる墓場だ」と憐れな弔いされたばかりに


獅子王の瞳に燃ゆるアンバーが 砕けて散って降り注ぐまで


街灯とネオンに満ちたこの空に きっと獅子座はやってこないよ


ラーゲリの野焼きと秋の青空にうかぶ笑顔に想いを馳せる


致死量の夏が身体を満たしてく そうして溶けた僕の行方は



生肌に十二単を纏うような 重たくぬるくて深過ぎた夜


もう歌詞を思い出せないアルバムのなかに眠った時がある


世界には 不幸ばかりが満ちている この周波届く圏内だけでも


明日なら 明後日ならば あえるはず 僕の怠慢 切り裂く音に


芸術につけるキャプション増えるたび 僕らつまらぬヒトになってく

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