世界が変わっても、推しのケモへの大きな愛は変わらない?

現代日本とは違う世界に生きる、貴族の娘ニナ。しかし貴族といってもその生活は決して裕福なものではなく、さらには病弱。
獅子に似た頭を持つ獣人、マクシミリアン。彼は戦争用人工生命体でありながら、ニナの執事として、献身的に仕えていました。
だけど、運命というのは残酷なもの。そんなマクシミリアンも、貧しさ故に手放し、離れ離れになることに。
その時ニナの心にあったのは、一人になる我が身の心配よりも、これから過酷な戦いの場に行くことになるマクシミリアンを助けてほしいという祈りでした。

なんと重く、なんと苦しい展開なのでしょう。
……と思ったそこのあなた、風邪をひかないようご注意を。

いやいや。作品レビューを読んでるだけなのに、なんで風邪の心配をされなきゃならないんだ。そう思う人もいるでしょう。
まあまあ、それはひとまず置いといて、そろそろ本作の主人公の話でもしましょうか。
えっ? ニナかマクシミリアンが主役じゃないのかって? 違います。
本作の主人公は、南雲新菜。イケメン獣人がたくさん出てくるソーシャル乙女ゲームのサービス終了にむせび泣く、ごくごく普通の女性です。

って、温度差! 好きなゲームのサ終はそりゃ悲しい。悲しいですよ。けどさっきのニナとマクシミリアンのあれこれと比べると、あまりに温度に差がありすぎて風邪ひきますって!

それから新菜はニナに呼ばれ、向こうの世界に行くことになるのですが、そこで見たマクシミリアンは、なんとサ終するゲームの推しキャラそっくり。
サ終に嘆いていた新菜ですが、これには大喜び。ただし、先ほど書いた通り、マクシミリアンたちの置かれた状況には、なかなかうまくいかない事情があるのです。

右も左もわからない世界で、推しへのパワーを胸に、新菜はやっていけるのか。
くれぐれも、温度差で風邪をひかないよう、気をつけながらご覧ください。