ビーチバカバカ
ミハエルは、
「ま、言いたい事も言ったし戻るよ」
「うぅ、ちくしょーーーーーーーーーーーっっ!」
「サーブどうぞ」
ミハエルは、相手のサーブを促す。
「まあ……ミハエル君ほどはっきりとはしなくても、わたしやフレッドでも別れ言い出してたね、彼女の以前の性格がそうであるなら」
アリウスが断言する。
「賢さより信念! それを示して欲しいんだよな。恋人なら。心がふにゃけてるのと一緒に生きてーと思うかぁ?
超美人1000人いても、いずれババア1000人。転生者で女をトロフィー扱いでもってるやつぁそれわかってんのかね。女の内面好きじゃないとやってられんぜ。
もちろん男だってそう。ジジイ1000人。
だから、社会のルールに慣れて輝きを失うより、『自分という人間の旬』を把握しろ。社会に歯向かえ、そんなトリズナーである自分に胸を張れ!
社会に慣れた『羽根を自分でもいだクズ鳥』は
『信念なんか持ってても1円にもならない』
ていうけどな
『客にへりくだったプロ根性なんて持ってても神、天照は全然評価しねえ』
んだよ。
ここでその人が『何を崇めているか分かる』な。
プロにしてくれるけど魂を捧げなきゃいけない勧誘の悪魔ロノウェ27Club、拝金主義に落ちるか、男の天照を信じ信念を通し死後の栄光を天照と共につかむか。
キリストも言ってたよな。
狭い門から入れ。滅びに至る門は大きく、その道は広く、そこから入って行く者が多い。
いのちに至る門はなんと狭く、その道も一見みすぼらしく、栄光を求める虫のような光に集まる人間は見つけても無視することでしょう。そして、それを見出す者はわずか」
フレッドもズバリ斬る。
「あ、始まったわよ」
ポンッ。
ビーチボールがミハエルのコートに向けて飛んでいく。
コロコロコロ。
ミハエル、無反応。
「なに? どうしたのー? 偉そーな事ばっかいっておいて、ボール追いかける事すらできませんか~? ザーコ! ザーコ! 体だけ大きいだけのハリボテざーこ! 雑魚が今までわたしになぁに偉そうなこと言ってんのー? 何説教垂れてんのー? ザーコ。雑魚が偉そうなこと言わないでよ」
にやけた顔で
ミハエルは、のんびりと左手で首の付け根辺りをぽりぽりかく。
「サーブ、どうぞ」
ミハエルはそれだけを言った。
「どうぞってサーブ打っても動かないじゃん。あなた。
じゃあ、いく!」
バシン!
「ちょっと、せめて動いてよ! ざーこ!」
「サービス権永遠に君でいいよ」
「……なに? なめてるの? さっきから」
「まぁまぁ、ルールなんて適当で。ちゃんと反則は審判が注意してくれるから」
ミハエルが気楽な顔をして言う。
その余裕ある顔に
「ちゃんとゲームしてよねっ! つまらないわっ!」
という言葉と共に
その言葉にもミハエルは逆らう。
一歩も動かない。
「なに? ミハエル! 地蔵なの?」
「まぁまぁ」
「まぁまぁじゃないわよ! なんなの! ハンデのつもり!?」
と、そこでミハエルがズンズン歩いてくる。
「ちょっと、だからコート! 反則!」
ミハエルは
「ポインッ」
「あ~~~~っ、審判反則ですー! この人反則しましたー! 反則ー!」
しかし。
点数はミハエルに入った。
「えっ、なんで……!? 嘘でしょ!?」
「世界なんてさ。ぼっろぼろに不完全でさ。ことさら仮想世界なんて不完全だ。ルシファーの仮想世界なんて最悪だぜ
だからバグがある。現実世界とは違う所に。
今の君がサーブ失敗した扱い」
「そうね。いまだにわたしをAIだって思い込んでる『あなたも不完全』だわ」
「…………」
ミハエルはその返しには反応しなかった。表向きには。
(まさか……な)
ボウンッ。
ボールが
それをミハエルが弾こうとする。
「やだっ! やめろ! 反則野郎っ! それずるい!!」
「イカサマはバレなきゃイカサマじゃない~ん」
「あほ審判が目節穴なだけ! わたしにバレてるから!
あなた、それで勝って満足なの!? スポーツマンシップにのっとれ! それ人として大敗北なの分かってる!?」
それをボールを両腕で必死に抱え込んで必死に防ごうとする
もはやビーチバレーではない。
体格で有利なミハエルが
ミハエルに入る得点。
ドンッ! ドンドンッ! ドンドンドンッ!
「う~~く、っひくぅぅぅぅううぅぅっ!」
「サーブあなた! 変わって!」
半泣きの状態で指示する。
「はい」
サーブがミハエルだが、さっきやられたようなのを仕返ししようと相手のコートに侵入してボールを奪いに行っても、いっても184cmと160cmだ。
ボンッ!
結局、普通にミハエルがサーブをコートに入れてミハエルの得点となった。
ドンッ! ドンドンッ! ドンドンドンッ!
また
「最後は普通にやってみる?」
とミハエルの言葉に
「う゛~~~」
と涙を拭きつつ答える
ゲームは進み、
「う゛~~! う゛~~!」
多分嬉しさを表現したいのだろう。
だがゲームは続いている。
ミハエルが、サーブを打つが、涙をながし両腕を大きく振り上げている状態では精神的にも肉体的にも満足に打ちかえせない。
ゲームセット。ミハエルの(反則)勝利でVRビーチバレーは終わった。
「う゛~~ぅ、う゛~~ぅ――」
「これまさか
今懸念しても、もう遅い事を懸念するミハエル。
「VRって怖いわね…………」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます