強がって、純情な自分隠して守ってる子ぽいな
あれから増援の筋肉おじさんどもをボール投げるのではなく、体育館の端に積んであった『会議室の机をドッジボールのように投げる』事で片っ端から鎮圧したミハエル、フレッド、アリウスに
もうただの乱闘である。
増援のおじさんもでなくなったので、マップを移動する事にした。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
遊園地に出た。
「おい! VRデートかよごめんしてくれ。恋愛系フレッド頼む!」
「無理っぽいぜ? ミハさんの頭に彼氏マークついてる」
「えーーーー! アリウスくん魔法でバグついて何とかして! アリウスくんがしてよ~」
「いやだよ! 恋愛ゲーなんてほとんどしたことないし!」
「
「いやいや、無理でしょ」
「う~ん…………」
「お~い、何やってるんだ彼氏!? 愛してるわたしを放置するなんて、なんて罪深い彼氏なんでしょう? もしわたしが悪い虫に強引に連れ去られて、薄い本のようになったらどう責任とって下さるというの?」
と釣り目をさらにいたずら好きな感じに形作ってミハエルを面白がっている風に上目遣いで睨む。
今の人に受けが良さそうな少々釣り目のいたずら好きな女の子がやってきた。どうやら今回のヒロインらしい。背は東雲波澄より5cmほど低い。胸は波澄のより小さい。といってもミハエルの周りは水鏡冬華をはじめCやDでは頼りなく思われるほどの巨乳だらけである。この子くらいでも本当はおっぱいでかいと言われるはずである。赤みかがった黒髪のロングヘアーをハーフアップにしている。東雲波澄と同じくらいミニスカートだ。ただし彼女はタイトな東雲波澄と違いプリーツスカートだ。
「とりあえず、自分の心を持っていない、AIでフリーウィル動かしてる女の張りぼて相手だから、意識して横着に行かせて貰うぞ」
とミハエルは、赤みかがった黒髪の釣り目の子の目の前で止まり、その場でしゃがみこんだ。フレッドは後ろに回り込んでしゃがんだ。
「あ、水色のパンツ。デザインは凝ってない。顔とパンツがあってないってくらいに純情なパンツ。顔に似合わずパンツは純朴だね。これいたずら好きなペルソナかぶって、強がって、純情な自分隠して守ってる子ぽいな。いたずら好きな態度も、信頼した人にしかだなさいよこういう感じの子。心の壁があるうちは優等生な態度を装ってやり過ごすはず。心の壁は分厚いぞ」
「ミハエルくんまるで見てきたかのように……」
アリウスが感心して言葉を漏らす。
「異世界に島流しにあってヴァーレンス王国に戻ろうとしてる際に振った女がちょうどそういう性格だった」
ミハエルが正直に恋愛遍歴を告白する。
「髪の色は違ったが、ちょうど背丈、体型も同じだったなあ。わたしが彼女を振った時、自信家の彼女の性格に似合わず部屋に閉じこもって心を閉ざす兆候見られたけど、もういい加減立ち直ってるでしょ。彼女モテてたし。そのままヴァーレンスに戻ってきたから分からないけど。
なぜか全員振ってわたしに迫ってきたけど。彼女を慰める男なんで掃いて捨てる程いるよー立ち直ってるさ」
思い出と共にほんわかした気持ちともに朝早くから自分のベッドにいたずらしにもぐりこんできた彼女の事を思い出すミハエル。
「へ~どれどれ? あ~このパンツか! このパンツならミハさんの推理当たってそう! お尻に小さく猫さんマークあるじゃん」
「ち、ちょっと! ミハエルさん、フレッド、そんな堂々とパンツ覗かないの!」
「いいじゃん! 中身ないんだよこの子。性格プログラムでうち込まれただけのフリーウィルで。この整った容姿も遺伝とかじゃなくて3Dのメッシュとテクスチャだ。動きはウェイトとボーンでやってる。
騎士団での逮捕に関してでもね。
『被害者がいない事は事件にできない』
って刑法のルールがあるんだ。
つまりこの子はただの3Dハリボテだから被害者にはなれない。
エロ漫画のヒロインがひどい目に遭ってもリアルで騎士団は動かないだろ? ダレ逮捕するの、エロ漫画家逮捕するの? そんなバカな。
そもそも今こうやってるのにパンツ覗かれた事に対する反応のプログラムないぽいしな。普通このての目つきの子は過激に怒ってくるぞ。
この子自身の心が生まれてくれば、体が生身だろうが3Dモデルだろうが全く話は180度変わるけどね! 心があるならわたしもちゃんとした対応するよ」
とミハエルが言う。ミハエルは2D絵描きのみならず3Dモデリングもしているのだ。アマチュアだが。
「ちょっと~。何ぼーっとしてるのさ? このわたし、XXXXとのデートが嫌だとは言うまいな! はっはっはっはっ」
強気な雰囲気とは違い、冷静に観察してみると彼女の顔が引きつっている。実は不安なんだろうという推理を彼氏にさせて同情を引かせるプログラマーの作戦か。
「彼女の名前を入力してあげてください。あなたの愛情が湧くような名前で」
と、システムメッセージが流れた。
「う〇こ」
即座にミハエルが目の前に現れたRPGの名前入力欄ぽいのにそう入力する
「かわいそう、却下」
「ち〇こ」
「殴られたいの? 女の子の名前がち〇こって」
「むう…………」
ミハエルがしばし考える姿勢に入る。
「じゃあKuraudoで」
「女の子だって言ってんでしょ!」
半眼の
「キリト」
「だから女の子だって言ってんでしょ!」
半眼の
「だって基本わたし一緒にいたいって思うの男の方だし……じゃあイキリババア」
「この容姿をした女の子に過去に嫌な目にでも合わされたの? ミハエルさん。確かに猫かぶらなければいたずら好きっぽい外見だけど……」
「メスガキ」
確かに化けの皮剥がしたらメスガキといわれそうなくらいの雰囲気ではある……? メスガキが痛い目にあわずに成長した。とも言える。
「……だから恨みあるのかって名前やめましょうよ」
「かつどんマン」
「あなたって…………」
半眼の
「乳首からスパゲッティ」
「そろそろ本気で殴らないと分かってくれないみたいね……」
半眼の
「
つまらなさそうにミハエルがその名を言う。
「…………なんだ。いい名前考えられるじゃないミハエルさん。その名前いいと思うわよ」
「日本名では、女は最後『こ』がつく名前が縁起良いと母さんから言われてきたからな。男だと『也』『斗』がつくと一見かっこいい名前だけど運気が下がるとかも学んだ。智也とか尚斗とか。斗は闘の略で斗だからね。平和に人生送れない可能性を与えてしまう。
母さん日本人だからな。というか日本人に化けてた日本の竜神だしな」
「なるほど…………」
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